飲食店レビュー Restaurant Manoir(フランス料理 渋谷区 広尾1丁目)

(★★★★★ 星5つ)

Restaurant Manoir(レストラン・マノワ)は、広尾にあるフレンチレストラン。オーナーソムリエが自らもてなしをし、「自分の家のように寛げるレストラン」というのがコンセプトとか。

家のように、とあるが、店は明治通りからセットバックしたマンションの1階で、セットバックの距離がけっこうあるので、通りに面していても静か、まさに家のような落ち着き。そしてテーブル席12席、カウンター席4席のこぢんまりした感じや、ブラウンの木目に囲まれた店内の様子もまた、家のように落ち着ける。

ここはオーナーソムリエの店だけに、まずワインリストがすごい。シャンパーニュだけでもずらりと100種類以上はあって、その中には「え? これをこの値段で提供してくれるの?」と驚くような銘柄も並んでいて、見ているだけでうきうきする。

当然スティルワインも豊富に揃えてあって、いつもだとシャンパンディナーにするところ、これは味わってみるべきかと迷ったので、オーナーに相談したところ、料理ごとに味わいの異なるワインを楽しめるプランも用意してあるとのことで、それにしてみた。結果、どれも、「へえ」と驚くような味わいで、大変楽しめた。グラスで提供されるのは退屈なハウスワインと決まっているような通常のレストランのイメージとは全く違った楽しみだ。グラスも特注とかで、当然味わいによって異なったグラスが用意され、そのあたりもさすが。
気が利いているなと思ったサービスは、グラスでサーブしてくれたワインのボトルを卓上に置いておいてくれること。エチケット(ラベル)を確かめられるのでとても参考になる。

さて、コースはMenu Véraison(ムニュー・ヴェレーゾン)という1万円のお任せコースにした。どれも絵画的で、季節感があって味わいや食材の取り合わせが新鮮で面白く、驚きを伴った喜びがある。チーズにもデザートにも手抜かりがない。詳しくは下記の写真を。ワインとのマリアージュもさすがだった。

そして、レストランのコンセプトどおり、非常に寛げる洗練されていながらも温かみのあるサービスがよかった。オーナーソムリエのサービスが秀逸であることも当然だが、パンやバターも、ほとんど気づかないかのうちに、さらりと新しく提供される。そして興味を引いたのは、オープンキッチンの様子。厨房の人々が、素早くも優雅で静かに料理をこなしていく様が、実に洗練されていた。帰りはタクシーを呼んでもらって戸口までオーナーとシェフとが見送ってくれ、そうした心遣いも大変丁寧。ここには是非また行ってみたい。(2012/6/14 記)

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