飲食店レビュー ミクニサッポロ(フランス料理 JRタワーホテル日航札幌内 札幌市中央区)


(★★★☆☆ 星3つ)

ミクニサッポロは、フランス料理のシェフ三國清三の店。トップレンジの料理を三國清三の故郷北海道で展開しているというので、楽しみにして行った。(ミクニサッポロのシェフは小川主水という別の人、しかし入口には三國清三の受勲お祝いのメッセージプレートが飾られていて、三國清三が前面に出ている)

が、結果残念。料理はよかった。が、よかっただけに、後から考えるにつけ、サービスやソムリエの未熟さがあまりに不釣合いで、そればかりが思い返されてくる。

コースは「極上の喜び“セゾン”」と題された1人17,000円のものをオーダー。ワインリストを見ると、載っているシャンパンはちょっと退屈なラインナップ。シャンパンが趣味なので通してシャンパンで楽しみたい、とソムリエに告げると、ちょっと困惑した顔をする。味の好みを告げると、比較的名のある例示をしても、うんともすんとも響かない感じ。
「ちょっと考えて探してきます」とセラーに下がって4本現物をもって提示されてきたが、普通はワインリストでちゃんとプライスを見せるでしょう。2本はスタンダードないし少し上のもの、あと2本はプレステージだったが、Krugを持ってくるところが売上しか考えていないというか考えが浅いというか。スタンダードキュベも、こちらが好みで挙げたメゾンのものをそのまま持ってくるので、ちょっと芸がない感じ。(ちなみにうちのセラーにはそのメゾンの上ランクのストックがあるので、と却下)

ちょっと気をそがれたが、シャンパンはBeaumont des CrayeresのFleur de Rosé Brut Millesime 2004を選択。シャンパンのテイスティングの印象はBlogに別件で載せるとして、料理だが、季節のものも取り入れられているし、北海道ならではの素材もあって、そのあたりはとても面白い。オードブルがブルーテソースでたっぷりとなっていてスープ兼用になっている組み立て方も面白いし、最後のアントレはちょっと盛りすぎで味が散漫な気もするが、ちゃんと北海道を感じる。デザートは同行したパートナーが酸味の強い柑橘系のものが食べられないので、と前もって伝えておくと、代替のチョイスを複数用意しているのもさすが。

なのだが、サービスの抜けや、通り一遍加減や、見られていないと思っているのか気が抜けた動作(オープンキッチンになっているのだが、キッチンへのドアを足蹴にして入る)などが、気になると出てくる出てくる。で、お金を払ったらハイサイナラというレセプショニストの突っ立ち加減がとどめに。すべては書かないが、東京だったらレビューサイトにクソミソに書かれてあっという間に閑古鳥だろう。
それから、ホテルのメインレストランという場所柄しょうがないのかもしれないが、結婚式に使われるのだろう、照明装置がなんとも無粋でインテリアをぶち壊している。宴会がない時には布でもかぶせておけばいいのに。

ということで、どうにも料理とサービス・人の質とが乖離している状態がストレスフルな感じだった。物が食えればそれでいい、という人以外は行くべきでないと思う。ひょっとしてお金のないJALグループの悪影響か?(2012年現在、ミクニ自体のせいでなく、そうだと思いたい)