シャンパーニュレビュー Perrier-Jouët Belle Epoque 2012


飲むたびにおいしく、そしてシャンパーニュらしい華やかさや気品を感じるPerrier-Jouët Belle Epoque。プレステージキュヴェにしてはどんどん新しいビンテージがリリースされる印象だが、2021年1月時点での最新は2012。2020年末に訪れたLawry’s The Prime Rib 赤坂でもグラスで飲んだが、あらためてボトルで。

Perrier-Jouët Belle Epoque 2012。おなじみのアネモネのエッチングボトルが美しい。
Perrier-Jouët Belle Epoque 2012。おなじみのアネモネのエッチングボトルが美しい。

アネモネ、と書いたが、正確にはシュウメイギク(秋明菊)なんだそうだ。日本人がこの柄に親しみやすさを感じるのは、そのせいかもしれない。2012のセパージュ(使用されるぶどう品種の割合)は、シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ5%と、プレステージキュヴェには珍しくピノ・ムニエが使用されている。

華やぎ、とはまさにBelle Epoqueのための言葉かと思えるほど、Belle Epoqueは一般にイメージされるシャンパーニュを代表するような味香といっていいと思う。フレッシュ感もありながら、桃や白い花や洋梨の香り、余韻の長い味わいが、気分を高揚させる。そして、フィネスがあって、どこにも嫌な引っ掛かりがない。あくまで主役はこれを飲む人、そっと寄り添いながらもその時間を上質にしてくれる、上品なプレゼンス。しかし、それだけではなく、寝かせて変化を楽しむことにも耐えうるのだろうなという屋台骨のしっかり感もある。

飲む時間を上質なものにしてくれる1本。
飲む時間を上質なものにしてくれる1本。

花のボトルや、軽やかなイメージから女性に愛されるイメージかもしれないが、これをそんなイメージから飲まない男性がいるとしたら、とても損をしている。飲むべき1本。