シャンパーニュレビュー H. Blin Rosé


たまにロゼを飲みたくなることがある。普段使いに変化がほしい時とか、失敗が許されないほど重要ではないイベントの時になど。バレンタインデーということで、今回これを試してみた。

H. Blin Rosé
H. Blin Rosé

H. Blin Rosé Brut(アンリ・ブラン ロゼ)は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌにあるコーポラティブ・マニピュラン(ぶどう畑の持ち主が集まって会社形式でメゾンを保有し、自分たちのぶどうで醸造する形式)のメゾン アンリ・ブランの、アッサンブラージュ(白ワインと赤ワインを混ぜる方法)で醸されるロゼ。

エチケット。左下に小さくCM(コーポラティブ・マニピュラン)の表記。
エチケット。左下に小さくCM(コーポラティブ・マニピュラン)の表記。

ピノ・ムニエの銘醸地であることから、セパージュ(使用されるぶどう品種の比率)はピノ・ムニエ57%、シャルドネ19%、ピノ・ノワール4%、そして赤ワインとしてコトー・シャンプノワ20%と、ピノ・ムニエが6割弱を占めるが、コトー・シャンプノワもムニエで作られているだろうと想像。

飲み口はシャープさがあり、シャンパーニュとしての香りの他、開けたては炭酸ガスの匂いもする。というとかっちりした印象だと思うかもしれないが、ピノ・ムニエらしいフルーティーさがある。

最初は好印象だったが、少し気にかかったのが、スムーズさに今一歩なところ。コトー・シャンプノワの比率が高いせいなのか、口に留まる感じがする。ピノ・ムニエだとどうしても飲み口が重くなる傾向にあるが、それに加えてのその癖が、フィネスに届くのにもう少しと感じさせた。

色はかなり濃い部類。
色はかなり濃い部類。

ロゼは難しい。大抵のロゼはこのH. Blin Roséのようにアッサンブラージュで作られていて、これが標準だろうとは思うのだが、セニエ(黒ぶどうの果皮を果汁に浸潤させ、後に引き上げる方法で色付けする方法)で丁寧に作られているロゼを経験してしまうと、どうしても混ぜ物で色をつけたように感じられてしまって、味も赤ワインに引っ張られるのが気になってしまう。