Bollinger PN VZ 19
シャンパーニュレビュー

シャンパーニュレビュー Bollinger PN VZ19


気になっていたキュヴェがレストランでオンリストだったので、オーダーした。結果、大満足だった。

Bollinger PN VZ 19
Bollinger PN VZ 19

Bollinger PN VZ19はボランジェ曰く創業時のスタイルをピノ・ノワール100%でフレッシュに解釈したもの。シンプルな名付けはもちろんPino Noir Verzney 2019を意味するもので、ヴェルズネイ村産を主体とするピノ・ノワール100%で造られ、2019年のワインを主に用いたもの。その年ならではの特質を活かした作りであるグランダネがミレジメで限られた年のみのリリースであるのに対して、PNシリーズは2015年以降、その年々でリリースされるが、アッサンブラージュで、バランスを計りつつもボランジェらしい個性を表現している。

ボランジェの個性として思い浮かぶのは、ダイナミックさ、奥深さ、そしてフィネス。PN VZ19にはそれらがきちんと表現されていて、なおかつ現代的なスマートさをも備えていた。

液体は明るいゴールド。ブラン・ド・ノワールらしい色合いで、少し暖かみを感じさせる。

ブライトゴールドの色合いが美しい。
ブライトゴールドの色合いが美しい。

豊かな泡立ち、一口目からすぐおいしい。香ばしさ、花々やドライフルーツ、ライチのようなエキゾチックフルーツがハーモニーを奏でる。味にフレッシュさとミネラル感があり、飲み応えはあってもクリアー。調べてはいないが、おそらくドサージュは飲んでみた感じではおそらく6g/ℓ程度と、少ないはず。

スタンダードのスペシャルキュヴェがクラシックホテルの一室で供されるのが似合うとすると、PN VZはモダンインテリアのマンションで開けられるのが似合う感じ。両者はかなり違うが、それでもちゃんとボランジェスタイルなのがすごい。

ミュズレは名前から予想されるとおり黒い。
ミュズレは名前から予想されるとおり黒い。

今回は2023年11月に閉店した後、約1年を経て見事復活なったレストラン マノワで日本の食材を豊富に活かしたモダンフレンチのコースと合わせたが、そうした挑戦的なスタイルにも合う。ボランジェのアップ・トゥ・デートな姿勢と、培ってきたスタイルがうまく融合した一本。今回はVZ19だったが、他も試してみたい。