Bollingerがピノ・ノワールのポテンシャルを引き出しその味わいを追求するPN。こちらのTX20はTX17、AYC18、VZ19と続いてきたPN年次シリーズの2026年9月時点での最新キュヴェ。(と書いた直後にAYC21が発表にはなったがまだ市場に出ていない)

Bollinger PN TX20はトーシエール(Tauxières)のピノ・ノワールがメインでアイ(Aÿ)、アヴネイ(Avenay)がそれに加えられたベースワインは、名前のとおり2020年が主体。そこに2008年と2012年のリザーブドワインが25%以上加えられるとのこと。従って、このキュヴェはミレジメには分類されない。そこが今までのPNシリーズとは違うところで、これは後述の味わいに反映されている。あとは、これも上級キュヴェではあるのだが、ミレジメとしてリリースされるよりプレステージ感のある上級キュヴェとして重要なアイコン、グランダネとの棲み分けもあるのだろう。ちなみにドサージュは8g/lで、ブリュットに分類される。
2020年主体と、上級キュヴェとしてはまだ若いせいか、開栓してグラスに注ぐと泡ははつらつとしていて、厚い層を形成する。色味はピノ・ノワールらしい、オレンジ味がかったゴールド。柑橘系の他にもフルーティーなアロマが豊かに広がる。一口目から飲んで素直においしいと感じられる味わいは、あたりが多少強いなと思われたTX17と大きく異なるところ。そこがリザーブドワインがブレンドされている成果なのだろう。しかし、それでも力強さはあって、スムーズさと両立させていてバランスが良い。
従って、フードペアリングも幅広く対応できる。ちょうど飲んだ日に日本橋三越でフランス展が開催されていて、そこで買ってきた鴨とフォアグラのパテ・クルートや、ミニ デリス デ クレミエ オ トリュフなどのチーズ、オシェトラキャビアを用意したが、それらとの組み合わせは悦楽度を格段にアップさせ、リッチな気分を味わうことができた。

通向けのシャンパーニュという訴求はありつつも、このTX20は、より幅広い層に好感をもって迎えられるものに仕上がっていると思う。ボランジェファンにとっては、スタンダードのスペシャルキュヴェより少しいいものがほしい、しかしグランダネを選択するほどでもない、といういい勘所を突いた選択となるはず。
