Bollinger PN AYC 18
シャンパーニュレビュー

シャンパーニュレビュー Bollinger PN AYC18


3ヶ月ほど前にレストランで飲んだPN VZ19がとてもおいしく気に入り、PNシリーズを順次飲んでみようと思い、購入。

Bollinger PN AYC18
Bollinger PN AYC18

Bollinger PN AYC18はボランジェのPNシリーズのネーミング規則に従い、アイ村のピノ・ノワールを主体に(トーシエールやヴェルズネイといった他の村のワインもブレンドされているとのこと)したブラン・ド・ノワール。こちらもまたネーミングどおり、2018年のワインがベースにになり、リザーブドワインをブレンドして醸される。ドサージュは6g/lと、ぎりぎりブリュットの部類。Bollingerが本拠を置くアイ村のピノ・ノワールということで、セクシーでワイドなボランジェらしい飲み口を予想して開栓。

泡は潑溂としている。ブラン・ド・ノワールらしいオレンジがかった濃いゴールド。香りは柑橘のドライフルーツやパンデピス、蜂蜜などが絡み合う奥深いもので、口に含むとたしかにボリューミーな味わい。

熟成とピノノワールを感じさせる濃い色合い。
熟成とピノノワールを感じさせる濃い色合い。

なのだが、最初に頭に浮かんだのは「これはボランジェ?」という疑問。樽熟成のアンリジローのような味わいなのだ。アンリジローも好きなメゾンの一つで、この味わいはもちろん好きなのだが、 PN AYC18はボランジェが持つバランス感覚よりも、より個性に振った味わいに思える。アンリジローもピノノワールにこだわりを持ち、同じくアイ村に本拠のあるメゾンなので、似てくるのは当然なのかもしれない。

重いか?と思いきや、そこはボランジェ、きれいに仕上がっていて、酔い心地は快適。徐々に深くなる香りを飲み進めていくにつれて楽しめる。上記で言った個性はボランジェスタイルに慣れている人にとっては好き嫌い分かれるところだろうが、いつ飲んでもその味というのはスタンダードのスペシャルキュヴェに任せて、攻めの姿勢でいくこれはこれでありだなと感じられた。個人的には初出のVZ19の方がやや好みではあったが。