シャンパーニュレビュー Bollinger La Grande Année 2007


La Grande Année(ラ・グランダネ)は、好きなシャンパーニュトップ10に入ると思う。パートナーシップ10周年にと開けた。本当は正月に飲むはずだったのを、飲みそびれて回したのだが。(笑)

Bollinger La Grande Année 2007
Bollinger La Grande Année 2007

Bollinger La Grande Année 2007(ボランジェ ラ・グランダネ2007)は、Bollingerのトップキュヴェ…というBollingerの触れ込みだが、最近では例外的扱いのR.D.やVieilles Vignes Françaisesも有名になってきて、そっちをトップに考える人も多い。しかしいずれにせよ、La Grande Annéeが単なるミレジメ(単年作)ではなく、いいシャンパーニュであることに違いはない。

箱も凝っていて、リーフレットの仕込まれた蓋は横に収納できるようになっている。
箱も凝っていて、リーフレットの仕込まれた蓋は横に収納できるようになっている。

セパージュ(使用されるぶどう品種の割合)は、ピノ・ノワール7割、シャルドネ3割。無論期待される味わいはアイ村のふくよかなピノ・ノワールだが、ヴェルズネイ村のピノ・ノワールも使用されている。ちなみに使用されているぶどうのうち、グラン・クリュの割合は91%だとか。プルミエ・クリュも使用されるのが毎回「へー」と思うが、R.D.にもプルミエ・クリュのぶどうは使用されているので、Bollingerは格付けよりも自らの選択眼を信じているのだろう。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は7g/l。

数ある有名メゾンの高級シャンパーニュのなかで、Bollingerを選ぶ人は、おそらくうんちく好き。ジェームズ・ボンドが愛飲するシャンパーニュの銘柄であるという後付けされたストーリーもさることながら、シャンパーニュの製法や味わいに一定程度以上の知識があってこれを選ぶのだという、自負がある人だろう。

そんな客層を熟知してか、箱には作柄について説明が書かれたリーフレットがつき、更に登録して見られるウェブサイトのスペシャルコンテンツClub 1829の案内として、ボトルのシリアルナンバーが記載されたラベルがついている。つまり、レストランで注文されるよりは、買って自家用で飲む人が多いのだろう。

リーフレットとClub 1829の案内。
リーフレットとClub 1829の案内。

開栓し、グラスに注ぐと黄金色の液体が細かな泡を伴って現れる。飲み口はいかにもBollingerらしいダイナミックさ。木樽発行ならではのトースト香、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、マンゴーなどが複雑に絡み合う。が、今までのヴィンテージと違うなと思ったのは、香りの余韻は長いのに、液体の切れがいいというか、かっちりしているというか。そのあたりは、より現代的になったというべきだろうか。

黄金色の液体が美しい。
黄金色の液体が美しい。

低めの温度(7、8度)では本領を発揮しにくい。やはりミレジメやトップ/プレステージキュヴェは若干高めが良いようだ。香りを存分に楽しめる。やはりLa Grande Annéeは、ここぞという時にゆったり飲むのに適した1本。