ネックに№25の表記がある。
シャンパーニュチャート

シャンパーニュレビュー Laurent-Perrier Grand Siècle №25


シャンパーニュレビューを書くのも久しぶりだし、Laurent-Perrierも久しぶりだ。パートナーの誕生日に進呈したGrand Siècle №25を、誕生日から少し経って飲んだ。

Laurent-Perrier Grand Siècle №25
Laurent-Perrier Grand Siècle №25

Laurent-Perrier Grand Siècle №25(ローラン・ペリエ グランシエクル ヌメロ・ヴァンサンク)は、メゾンのトップキュヴェには珍しくノンヴィンテージ。マルチヴィンテージの先駆けと言ってもいいかもしれない。グランシエクルをミレジメで作らないのは、アッサンブラージュはシャンパーニュメゾンの腕の見せどころ、という姿勢から来るのだろうか。以前のグランシエクルは、特に使われたリザーブドワインの年も比率も非公表だったし、№も記されていなかったように思うが、これは№25。

ネックに№25の表記がある。
ネックに№25の表記がある。

各社いかにぶどうの年毎の作柄やリザーブドワインの比率などでプレミア感を出すかで競っている中、いかにマルチヴィンテージという言い方をしようとも、非公表のアッサンブラージュではアピールが弱いという判断だろうか、この№25ではリザーブドワインの年と比率も公表され、使われているぶどうがどこのクリュのものも公表している。かつてロールスロイスの出力は「必要にして十分」としか言われなかったが近年はもちろん数値を公開しているのと同じか。

で、そのGrand Siècle №25に使われているぶどうだが、セパージュはピノ・ノワール60%、シャルドネ40%。いずれもグランクリュのものが使われていて、ピノ・ノワールはアンボネイ、ブージー、ヴェルジー、トゥール・シュル・マルヌ、マイィのもの、シャルドネはメニル・シュール・オジェ、クラマン、アヴィズ、オジェ。名産地揃いだが、その中でも厳選されている、とのこと。

リザーブドワインは贅沢に使われいて、2008年が65%、2007年が25%、2006年が10%。グレートヴィンテージの08年が半分以上というのは嬉しい。マルチヴィンテージを謳うにふさわしい。ちなみにもう次のシリーズ№26がもう出ていて、そちらでは一番多く65%が使われているのは2012年だとか。

熟成期間は12年と長い。ドサージュは調べられなかったが、ブリュットの分類であり、飲んだ印象ではすっきりしていたので、6g/l程度か。

開栓してグラスに注ぐと、泡はきめ細かく豊か。飲む前から良い予感がする。熟成期間が長くピノ・ノワールが6割にしては色は濃くも黄色すぎもせず、ブラン・ド・ブランの比較的新しいキュヴェかと思う位の、わずかに緑がかった明るいゴールド。

色合いは比較的淡い。
色合いは比較的淡い。

一口飲んで、液体はなめらかだがフレッシュ感があり、上質さがすぐ感じ取れる。香りはドライフルーツ(レモン、エキゾチックなライチ、フィリピンマンゴー)、白桃、少しアーシーなセージ等が絡み合い、重層的。余韻が長く、丁寧に作られている印象。

飲み進めるに従って香りは深くなっていき、基底にあるしっかりしたぶどうの素性の良さが現れる。品の良い感じはさすが。

今回、気楽に飲もうということで、適当に(あまり重すぎない)中華惣菜、レバーパテ、AOCカマンベールを用意したのだが、フードペアリングについては寛容。これ単体で飲んでも、食事と共にしてもいい。

いずれとも合う包容力。
いずれとも合う包容力。

グランシエクルは、メジャーなメゾンのトップキュヴェにしては、シャンパーニュ全体の値段が高騰しているなかにあって、良心的価格。久しぶりにGrand Siècleを飲んで、高名なAlexandra Rosé Millésiméにも俄然興味が湧いてきた。あちらは一般的にも、Grand Siècleに比較しても高価だが。