(小説『クラブロンリー』第4章[竜人]から続く) 政次をそのままにして、俺は5階に上ることにした。この時間ではまだ本格的には始まっていないはずだ。Ten Cityのライブは2時からの予定だし、5階を一回りする位の時間はあ…
カテゴリー: ワークス
私的に創作した小説、音楽などがあります
(クラブロンリー 第3章[QUICK メインフロアー]から続く) 竜人を初めて見たのは、俺がDRAWSTRING BARに通い始めて、まだ1ヶ月もしない冬だった。雨の木曜日。司法試験の勉強に飽き飽きしていた俺は、週末を待…
(第2章[MYKONOS LOFT]から続く) QUICKのメインフロアーはMYKONOS LOFTに比べると広大だ。階段から数歩出たところで、全貌は見えない。5階まで吹き抜けになった空間を支える幾本かの柱の間を、ライテ…
(第1章[QUICK]から続く) MYKONOS LOFTは、土曜の夜にだけ開く、会員制のゲイクラブだ。QUICKでのゲイナイトは月1回だけ。QUICKでのゲイナイトがない週末は、今もMYKONOS LOFTに行く。 「…
海岸通りの海側は倉庫街で、零時も回ると人影もない。それに、日曜の夜だ。運送会社のトラックさえめったに出入りしない。路地に車を停めると、俺と政次はドレスコードに合う格好に着替える。今月は黒。政次は金玉がこぼれそうなブラック…