完璧な病室 (★★★★☆ 星4つ) 表題の作品を含む短篇集。小説はエンターテインメントのひとつとしてやたらドラマティックな物がもてはやされる昨今だが、自分の知っている世界を持ち札として、細かく細かく世界を描き出してゆくと…
カテゴリー: レビュー
私個人の好き・嫌い・実体験の記録・印象を記したページです。
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評価の凡例は以下のとおり。
★★★★★(星5つ)・・・ 最高に素晴らしい。他人にも是非お勧めしたい
★★★★☆(星4つ)・・・ 充分に満足、そのための時間を費やす価値がある
★★★☆☆(星3つ)・・・ 至って普通、特に不満はない。お好きならぞうぞ
★★☆☆☆(星2つ)・・・ 残念。不満やフラストレーションを感じる
★☆☆☆☆(星1つ)・・・ そのための時間が無駄、腹立たしい
☆☆☆☆☆(星ゼロ)・・・ 話にならない
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食堂かたつむり (★★★★☆ 星4つ) あまりこの人のことを知らずに読んだ。いかにも女性向け、しかも若い人向けの文体で、主人公もそんな年齢設定。難しい言葉は使わず、文章も行変えが多くて、字面が白い。吉本ばななを思わせるが…
洪水はわが魂に及び (★★☆☆☆ 星2つ) 青年期の性の臭いと反抗といった狭い単純な世界が好きな人にはいいかもしれないが、そうでない知性ある人には耐え難い閉鎖社会の描写が延々続き、そこに大江の固執する知的障害者の話が折り…
レイテ戦記(上)(中)(下) (★★★★★ 星5つ) (★★★★★ 星5つ) (★★★★★ 星5つ) 事実が圧倒する重さなだけに、心して読書にあたった。これほど読書するのに決意の要る本もないだろう。戦記と題しているだけに…
西村佳哲(著) (★★★★★ 星5つ) 人から勧められてこの本を読んでみて、非常に良かった。自分のライフワークを何に定めて、いかにしてそれで飯を食っていくかは、人生の大きな部分を占めるテーマだが、システムが定型化した社会…
中村祥二(著) (★★★★★ 星5つ) 資生堂の研究所出身で、香りの研究者である著者が、さまざまな香り(あるいは臭い)について記した本。研究畑出身らしく、化学名てんこもりだが、そこは「ふーん、そのにおいってそんな化学名の…
中村 元(著) (★★★★★ 星5つ) 仏教の教義は開祖以来複雑に分化し、素人に理解するのは難しい。しかし仏教の本義はこの世に生きる人を救うものであり、民衆にとってもわかりやすいものであるべきだ。 この本は仏教が生まれた…
ガダラの豚 【I】【II】【III】 (★★★★★ 星5つ) (★★★★★ 星5つ) (★★★★★ 星5つ) 何ともスリリングで、ちょっとバカバカしくて、恐ろしく、そしてうんちくの詰まった小説。中島らもは生前の飄々とした…
岬 (★★☆☆☆ 星2つ) 読むのに難儀した。というのは、筋がどれも面白くないのだ。鬱々としていて、主人公が投げやりで、時代の影を自分が一身に背負っているようなスタンス。高度成長時代の歪みやしわ寄せ、イデオロギーの闘争の…
土 (★★★★☆ 星4つ) 表紙には「娘が年頃になって帝劇がどうのと言い出したらこれを読ませてやりたい」云々という趣旨の夏目漱石の言葉がある。農民文学の代表者である長塚 節の代表作だけに、中身がつまっていて、もう1世紀ほ…