ブックレビュー『エロス的人間』

澁澤龍彦(著) (★★★☆☆ 星3つ) この本を読んで、澁澤に対する心証が少し悪くなってしまった。澁澤はもともと論理などからは乖離したところにいる、良くも悪くも文学的な人間だから(本人もこの本の中で法律などには全然興味が…

ブックレビュー『黒魔術の手帖』

澁澤龍彦(著) (★★★☆☆ 星3つ) 澁澤龍彦訳のマルキ・ド・サドの本『悪徳の栄え』を高校時代に読んだのも懐かしい。 それはそうと、この『黒魔術の手帖』は黒魔術の手引きではなく、黒魔術のヨーロッパでの成り立ちを中心に書…

ブックレビュー『釈迦』

瀬戸内寂聴(著) (★★★★★ 星5つ) 釈迦の涅槃入りの時期を、釈迦に司えた一番弟子のアーナンダの立場から記しているが、回想の形で釈迦の一生と、それを取り巻く人々の物語が非常に分かりやすく書かれているので、仏教徒でなく…

ブックレビュー『原始仏典』

中村 元(著) (★★★★★ 星5つ) 仏教の教義は開祖以来複雑に分化し、素人に理解するのは難しい。しかし仏教の本義はこの世に生きる人を救うものであり、民衆にとってもわかりやすいものであるべきだ。 この本は仏教が生まれた…

ブックレビュー『最後の晩餐』

開高 健(著) (★★★★★ 星5つ) 開高健は昔から何となく気になってはいたものの、読んでいなくて、今回手を伸ばしたのは、旅行に出かける時に携行する本を探していて、旅行中は贅沢三昧することが分かっていたので、食通随想文…