水回りリフォーム着手


で、業者に来てもらったのだが、話が漠としていてピンと来ない。俺の想定では、まずこういうプランで、デザインテイストはこんな感じで、と、概略から話を進める想定だったのだが、いきなり現場を見てあれこれ話し始め、話が場当たり的。はっきり言ってそういうのが気に食わず。俺は総論→各論と話を展開したいし、そうした理解をしてもらわないと困るし、こちらの好みの傾向も尋ねずに、どうやって物を作ろうというのか。1時間半ほど、現場を見つつ打ち合わせしたのだが、果たしてこれで進められるものか、いいものに仕上がる気が到底しないと、終わって気落ちしてしまった。

そして10日後、見積書が出てきたのだが、「え?!」という明らかに高い額。ここで予算の話をしておくと、具体的金額には言及しないが、規模でいうと、ざっとのイメージで例えるなら、我々の当初予想では輸入車Cセグメントの中級グレードに多少オプションをつけた位になればと考えていたところ、この業者から出てきたのはフルオプションの上級グレード位。ピンとこないかもしれないが、1.4倍位の開きがあった。

そしてデザインカンプもイメージも一切提示がなく。選択したTOTOの既製品のイメージはカタログと実物を見て知っているが、照明は?棚はどんな物を付けるのか?床材は?カラースキームは?など、疑問だらけ。進める途中で部材選びでどんどん増額、ということも容易に想像される。

これではなあ、とパートナーと思案し、別業者を探すことにした。そしてパートナー弟からの紹介を受けて、別業者と打ち合わせ。すると、今度の業者はちゃんとしていて、打ち合わせが終わる頃には光明が射した思いだった。

まず、人の話を聞く姿勢がある。まずどこをリフォームしたいのか、どうしたいのか、今までの経緯、予算の話(先行業者の予算の開きからこれ位にしたいという話も踏まえ)、デザインテイストの好み等を聞きつつ、概略を押さえたうえで、現場を見、採寸等し、見積もりが後日送付されてくることとなった。

先行業者との違いは明らか。リフォームをしたいということは、単に物を新しくしたいということではなく、空間をより快適に・美的にしたいということであり、その大前提としてクライアントが望んでいることのヒアリングは必須。今度の業者はそこをきちんと押さえていた。クライアントがどんなスタイルを嗜好しているのかは、読み取るなり、読み取れないなら尋ねるなどしてもらわねば困る。その点、後の業者はそれを読み取りつつ、どんなテイストで行きたいのかという話をしていて、「ホテルライクな感じですか?」などとキーワードを使ってこちらに尋ねるなどし、的確だった。

カタログ。どれを選択するかで、凡その傾向も知れようというもの。
カタログ。どれを選択するかで、凡その傾向も知れようというもの。

そして、服装や身につけている物がちゃんとしていた。「それ、関係あるの?」と思われるかもしれないが、俺的には大ありである。家を美的に改装したい人の所にその仕事で来るのだから、ある程度いい物を身につけてくるというのは、そういう世界を理解しているという表明であり、自分にはスタイルがありますという姿勢のアピールであり、事業が成功していて完遂する資本力があるということとして重要なのだ。

そんな訳で、この業者にお願いしようという腹づもりで見積もりを依頼。見積もりが出てきたのだが、値段もリーズナブルだったし、提案について視覚的にも分かりやすく、何がオプションなのかも明確。そこで、お願いしたい旨伝え、契約と、実際の物の選定で、再度(別所だが)TOTOのショールームへ一緒に赴くことになった。これでやっとスタートである。この後の顛末はまた追々。