時計を買い足す Chanel J12 クロノグラフ H2009


最初に断っておくが、俺は時計オタクではない。なので、時計選びは常にフィーリングである。惚れるか否か。なので、ここで深い話はできないし、するつもりもない。あくまで自分にとっての印象、ということで。

メインで使っているのはブレゲ トランスアトランティック タイプXXI 3810。ほぼオールマイティーな時計で、カジュアルでも、スーツ姿でもOKだし、冠婚葬祭にも違和感がない。スポーティーだが品があって、気に入っている。あまり人と被らないのもいい。

ブレゲ トランスアトランティック タイプXXI 3810
ブレゲ トランスアトランティック タイプXXI 3810

が、ここに来てもう一本ほしくなった。最初に気になったのは、カルティエのロードスター。もう廃盤の時計だが、コンディションのいい物は中古市場で見つかる。しかし、パートナーじょにおに相談すると、あまりいい顔をしない。曰く、中途半端だと。品があっていい時計だが、ブレゲよりスポーツに振っている訳でもなく、価格帯的にもラグジュアリーではないと。俺としては気兼ねなく使えるその中庸さこそが、ロードスターの魅力だと思うのだが。

そこで、視点を変えて、思い切ってもっとファッションぽいのはどうかと考えたのが、シャネルのJ12。女性に人気の時計と思われているが、ケースサイズの大きいのは男性向け。白いセラミックは爽やかで、半袖の季節に特に良さそうだし、黒もなかなかセクシー。

最初、ノーマルのクロノグラフなしのを考えていたのだが、ノーマルが38mmに対し、クロノグラフはケースサイズも41mmと、より男っぽい。特にクロノで計時する訳ではないのだが、サブダイヤルの並んだメカニカルなフェイスは雰囲気がある。となると現行モデルでは二択。ブラックのアラビアインデックスモデルH0940か、ホワイトのダイヤモンドインデックスH2009か。後者は華美かと日和っていたが、「え?別にいいじゃん」とじょにお。身につけてみると、そう派手すぎもしない。俺も相応の歳になって枯れてきたきたせいか。ということで、H2009に決定。

シャネル J12 クロノグラフ 41mm H2009
シャネル J12 クロノグラフ 41mm H2009

見た目は満足。もちろん、見た目から入ったのだから。白の色味だが、公式サイトの写真はちょっとモノトーンに振りすぎていて、冷たい感じがするが、実物はもう少し柔らかい。しかし、オフホワイトに振れてもおらず、きっちり白い。装着感も良い。セラミックのブレスレットはメタルよりもなめらかで、汗をかいた時の不快感も少ない気がする。といっても、ケースバックは金属なのだが。

操作感だが、クロノグラフのボタンは硬い。ボタンが小さいことも相まって、押すと指に跡が付くくらいだ。これは個体差があるのだろうか。ほとんど使わない機能だから、日常していて特に支障を来すことはないが。反対に、回転ベゼルは軽い。トランスアトランティックや、もう一本たまに使っているロレックス GMTマスターIIの方が、ノッチが明確。ベゼルは逆回転防止だが、操作するつもりでなくても回ってしまっている時があって、この軽さは、ダイビング等には向かないだろう。一応200m防水ではあるが。

少し引っかかりを感じるのは、時刻調整等で竜頭を引き出した時。ねじ込み式の動作感は硬からず・緩からずでいいのだが、二段階式になっている竜頭を引き出した時に、どのポジションにあるのか明確でない感じで、引き出し量も小さい。時計を毎日つけている訳ではなく、たまの外出でする位なので、時計をする時にはほぼ必須で、巻き上げとデイト送り、時刻調整をする。となると、ちょっとここにはストレスを感じる。

が、J12には秒針のハック機能があるので、より正確に時間を合わせたい時には、その点ではトランスアトランティック タイプXXIよりは操作しやすい。タイプXXIはハック機能がなく、秒針まで合わせようとすると、時刻調整の状態でゆっくり逆進方向に竜頭を回転させて秒針を合わせる必要がある。

J12は、一般的にはファッション時計と思われているが、時計好きからも評価は高い時計という。が、総じて思うに、やはりこの時計は、装飾品感覚。今やスマホで正確な時間はいつでも分かる。となると、腕時計は男が言い訳することなく身につけられるジュエリーのような側面が大きくなっていると思うが、J12のような強力なアイキャッチになる時計は、そうした存在意義がある。葬式なんかにしていると、白い時計はちょっと主張しすぎで危険だろうが、サブで使うなら、大いにありと思う。