癌の放射線治療に伴う味覚障害からの復帰記録 その4


前回の記録を書いてからひと月ちょっと経った。回復というのはリニアに右肩上がりなものかと思っていたら、そうでもないようで、一進一退もあり得るのだと体感している。口に何も入っていない時に、嫌な味がする状況は、少し改善して、前は少しずつでも水等を飲んでいないと耐え難い状態だったのが、短時間だと我慢できる位にはなった。

が、味を感じることについては、総じて見れば1ヶ月前に比べるとだいぶマシにはなってきたものの、日によっては鈍いかなと思われる時もあり。そういう時に舌を鏡で見てみると、舌苔が真っ白だったり、黄色かったり。舌苔を取り除くのは必要なようで、歯磨きの時に柔らかめの歯ブラシでやっている。

歯で思い出した。再発がんの放射線治療に先立ち、抜歯した奥歯にブリッジを作る治療をようやく開始できる時期になり、国立がん研究センターからの紹介を受けて、提携歯科で治療を開始した。次週にはブリッジが入る予定だ。保険適用外での物にした。歯は長い付き合いになるのだし。

味覚の話に戻る。味が感じられる度合いを自分でスケーリングするならば、健常時の7割くらいか。舌の中で、感じられる箇所とそうでない箇所がまだらになっている感じ。そして、放射線治療終了前後に口内炎ができて治療薬を塗った辺縁部があるのだが、その辺りは味覚の復帰が早かった感じがする。かといって、舌全体にそれを塗る訳にもいかず(薬の目的外使用はしない)、自然な回復を待つ形だ。補助的に亜鉛サプリメントを摂っているが、これは効果があるのかどうか分からない。

いずれにしろ、一進一退あるなかでも味覚が戻ってきていて、色々な飲食物を摂取するのにチャレンジしている。料理もそこそこするようになった。

これはとある日のパスタ。復職してテレワークしており、昼ご飯は大抵自分で簡単な物を作る。
これはとある日のパスタ。復職してテレワークしており、昼ご飯は大抵自分で簡単な物を作る。

が、やはり少々疲れやすいのか、全てが元通りという訳には行かないようだ。少なくとも今のところ。ジムにも行っているが、仕事、家事、犬の世話、ジムとなると盛りだくさんすぎて、前のとおり動けるものだと思ってやっていると、途端に揺り返しで疲労する。放射線治療で脱毛した箇所(後頭部の襟元付近)は毛が生えてきているのだが、まだ正常な部位に比べると違和感がある。毛も生え揃っていないうちに、フルで動くのも無理があると、そのことは一つの回復指標の一つに見ている。

そんな中、パートナーじょにおが先月末に誕生日を迎えた。いよいよ40歳だ。じょにおが27の時に出会い、じょにおは30代の全てを俺と過ごしたことになる。いいレストランに行って盛大にお祝いでもしたいところだが、俺は回復途上だし、世はコロナで緊急事態宣言中。またの機会ということで。しかし、例年どおり、カードと花束とシャンパーニュは用意した。プレゼントはあったりなかったりなのだが、日頃じょにおが使っていたイヤホンの電池のもちが悪くなってきていたので、Bang & Olufsenのイヤホンをプレゼント。

じょにおの40歳の誕生祝い。シャンパーニュレビューはいずれまた。
じょにおの40歳の誕生祝い。シャンパーニュレビューはいずれまた。

癌にしろ、コロナにしろ、悪ければこんなことなどしていられない状態になった可能性もある。この状況下、誕生日を祝えること自体を幸運に思うことにする。じょにお、あらためておめでとう。そしていつもありがとう。これからも一緒に。

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