2泊3日沖縄旅行 3日目


沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)で沖縄の歴史と背景を知る

識名園は名勝地だから、タクシーはすぐつかまるだろうと思っていたら、これがなかなか来ない。しばらく識名園の入口付近にいて、流しのタクシーが来たところで乗り込み、博物館へ。角がアールを描く特徴的な外観は首里城の石垣を思わせる。この建物は石本建築事務所が手掛け、日本建築家協会賞、グッドデザイン賞などを受賞しているそうだ。

正面入口。確かに沖縄の城を思わせる。
正面入口。確かに沖縄の城を思わせる。
コンクリートの無機質な感じのなかにもカーブと角丸の孔がリズムを作っている。
コンクリートの無機質な感じのなかにもカーブと角丸の孔がリズムを作っている。

我々は博物館の方へ。この時の特別展は『岩石』。ちょっと地味な展示だが、それでも興味深く観た。

特別展 岩石。©沖縄県立博物館・美術館
特別展 岩石。©沖縄県立博物館・美術館

続いて常設展へ。沖縄の成り立ち、琉球王国から沖縄県になり、戦後のアメリカ軍統治を経て返還されるまでが俯瞰できる。独自の文化を持ち、日中の交易で独自の役割を果たしながら、末期には経済的に困窮し、日本に接収され、廃藩置県で沖縄県となり、太平洋戦争では激戦地となりという沖縄の歴史を、貴重な展示であらためて知ることができた。

今も基地移転の問題で揺れ、日本という国がこの地を利用している位置づけが、永々と続けられてきた翻弄と蹂躙の延長にあることを認識すると、沖縄のことを夢あるリゾート地という単なるお花畑的視点だけで見ることはできない、というのが、この博物館を見学して得た、俺とじょにおの沖縄に対する見方だ。どの地に旅行で行くにしても、そこの背景を知り、敬意をもってすごす。これは、我々が旅行をする際にいつも大事にしている点だ。2泊3日と短かったが、最後にこの博物館を訪れたことは、意義深いアクティビティーだった。

蛇足:日本航空は”ladies & gentlemen”を廃止したはずなのに?

帰りのフライトはほぼ満席。こんなで良いのだろうか、などと思いつつも、皆乗客はマナーを守っての搭乗で、そこは安心。Ladies & gentlemenで始まるアナウンスは、今年からジェンダーフリーやマイノリティーへの配慮を勧める趣旨からEveryoneになったと聞いていたので、どうだろうかと機内案内を聞くと、”Ladies & gentlemen….”と旧来のまま。ありゃりゃという感じ。「何これ、文句言っていい?」とじょにおに言うと「やめて」と言うので、ひとまずそこは収めたのだが、どうにも納得がいかず、翌日日本航空に問い合わせた。これについては事実関係調査のうえ、誤りを認め、改善を約する返答が来たので、今後に期待。最後の最後にケチがつくと、旅行の印象に小さな染みのような物が影を落とすが、さっぱりすっきりとした気分で完結することができた。