首里そば
首里そばに着くと、何組かの人が先に待っており、6台ほど交互に置ける駐車場は満車。しかし、さほど待つこともなく、席へ案内され、首里そばの中を2人前と、煮物1つを注文。麺は固め。つゆはかつおだしのあっさり。那覇に来たら一度は沖縄そばを食べたいと思っていたので、ちょうどよかった。沖縄のこういう店らしい、人生を重ねた女性達が立ち働く姿も、ならでは。
識名園 ほぼ貸し切り
腹ごしらえをしたところで、ここから識名園へ。琉球王家の別邸で、外交上の接待等に使われたとか。作られたのは1799年というから、もう220年の歴史ある場所。ただし、第二次大戦で破壊しつくされ、現在の庭園は1975年から復元されたものだとか。
ガジュマルなど、南国らしい草木が生い茂り、以前訪れたアユタヤの寺院を思い出した。
検温を済ませ入園すると、とても空いている。こういう史跡名勝の類は、観光客が少なくなったとはいえ、ある程度人はいるのだろうとの予想を遥かに下回る人数。ほぼ貸し切りといってもいいほどで、世界文化遺産として登録されている場所とは思えないほど。今時分では穴場の観光スポットだ。
順路をしばらく歩くと景色が開け、心字池を臨む場所に出る。池の向こうにはメインの建物、御殿。ウドゥンと読むそうだ。
「せっかくの旅行なので識名園を貸し切りました」って言おうか、などと冗談を言うくらいに、人がいなかった。ただ静かな中、御殿を見て回るが、御殿は先述のように再建復元されたもので、中は簡素といってもいいほど。調度品はほとんどなく、オリジナルが建てられた時の栄華を知るよすがもない。それだけに、過ぎ去った年月の重みを感じることができるが。
心字池には中国風の六角堂があるが、これも元は四角形で、大正時代に再建された当時に六角形になり、さらに復元されたものだとか。そうやって少しずつ変容していくのも、致し方ないことなのだろう。
ハブに注意などという看板もあって少々緊張しながら通る所もあり、順路を一通り回って、識名園を出てきた。暑くてひと息つきたくなり、ここに来る途中でぜんざいののぼりを出していた沖縄そば屋で休憩がてらぜんざいを食べることにする。下地そばという所で、実は沖縄そばの名店らしく、行った時にはお昼時は過ぎていたが、客が3組ほどいた。皆、沖縄そばを食べていたが、我々はぜんざい。
沖縄風のぜんざいは初日の夜に鉄板焼のデザートで小さなのが供され、気に入って、どこかでちゃんとしたサイズのを食べたいなと思っていた。見ての通り、沖縄らしくかき氷で冷たく仕立ててあるのが沖縄風ぜんざい。上には黒蜜がかかっている(中にはあんこと白玉)。ここの下地そばは、まるで沖縄の民家におじゃましたような感じのセルフサービスの店で、ゆるい雰囲気が和む。
この時点でまだ2時過ぎ。5時過ぎの飛行機までにはまだ時間がある。何をしようかと思案し、初日にDFSに行った時タクシーの車窓から見た、立派な建物の沖縄県立博物館・美術館が気になり、行ってみようということになった。
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