癌の記録 再入院、再手術、リカバリー


毎年、誕生日にはじょにおからバースデーカードをもらう。先月誕生日を迎え、レストランで食事をしている時に手渡された今年のカードにはこう書かれてた。

体に気をつけて気持ちよく日々を過ごせることを願っています。
病気もあと少しで乗り越えられるから、一緒にがんばりましょ!!

じょにおの全面的なバックアップは、いつも頼もしい。一度切りだと思っていたことをまたやらねばならないのは大変気が重いが、やるしかあるまいと、前の記録に書いたとおりの経緯があり、11/28に再入院。翌日手術を受け、12/4に退院した。

入院時の過ごし方は前回とほぼ同じ。リンパ節の切除がない分、術後は少しだけ楽だったが、別のことに耐えなければならなかった(過去形で記したが、それは今も残っている)。今回は開口器具を使って左の扁桃腺の奥を取り除いたため、手術中、舌が強く圧迫されて、舌の左右の端が挫創となった。術後は内出血を起こし、まるでチャウチャウのような青黒い舌をしていて、その青黒さが引いた後も、舌を動かしにくく、これを書いている今も右の方は表面に感覚がなく、一部味を感じない。これについては想定外で、術前にこういうリスクがあるとは聞いていなかったので、若干の憤りはある。が、致し方ないのかとも思う。

手術部位が破れて出血すると、気道を塞いだりと面倒なことになりかねず、結局入院は前回と同じ日数となった。帰宅してからも痛みとの闘いはあり、ゆっくりゆっくり柔らかい物や抵抗の少ない麺類を食べたり、あるいは食べられなかったり。これもまた、日にち薬でしかないのかと、痛み止めを飲むタイミングを図って飲みつつ過ごした。

病院から眺める景色も馴染みに。手前の黒い部分は築地市場のあった土地。
病院から眺める景色も馴染みに。手前の黒い部分は築地市場のあった土地。

病室で過ごすと、暇だ。暇だと余計なことを考える。時々、仕事のことを考えたり、ドッグトレーナーさんに預けた犬のことを考えたり。今回はじょにおが仕事のスケジュールを調整し、1泊だけで連れ帰ったようだった。

預けている間の散歩の様子。右端がプットニョス、その隣がノアノア。
預けている間の散歩の様子。右端がプットニョス、その隣がノアノア。

今回、退院して自宅療養に入った時、じょにおは不在。ここ半年ほど、出張が多く、月の3分の1から半分ほどはいない。療養のための休みだが、犬達の世話や家事はせねばならず、辛かったが、致し方ない。今回は、より奥の方を切除したためか、治りが体感的に遅い。うどんとアイスクリームを交互に食べながら、夜は枕元に痛み止めを置き、施術した方を下にして寝ると深夜に激痛で起きることになるので、左を向かないようにして寝て、ひたすら時の過ぎるのを待つ。

普通の硬さの物を食べられる気がしないなと思いつつ、過ごし、職場にも復帰して、やっと先週末に少し良い兆し。傷みがやわらいできて、週末にはポトフなど作り、やわらかめの食パンをホームベーカリーで焼いて、出張帰りのじょにおと夕食をともにした。一緒に食事を摂るのも久しぶりならば、一緒のメニューを食べるのも久しぶり。我々にとって、食は大事なので、これは大変重要かついいしるし。

そして12/17に再診。病理検査の結果を聞きに行ったのだが、まだ出ておらず、すっきり根治という証明には至らず。そこは残念だったが、今回の再手術は念の為の治療で、これ以上頭頸部外科ですることはないとの医師からの説明。これ以上することはない、というのがポジティブな意味においてそうであることを願う。今後は定期観察があり、来月の定期観察で、あらためて病理検査の結果を聞く予定。
そして、術後非常に気になっていた舌の一部感覚がないことについては、神経が切れた訳ではないので、時間はかかるが回復していくとのこと。それを聞いて大変ほっとした。

果たして、これで癌を乗り切れたのかどうか。乗り切れたのだと願う。本日2019/12/22時点で、手術痕はほとんど良くなったとの自覚だが、完全というには、やはり年末くらいか。何か、陰惨なホラー映画の結末のようだ。暗い一夜を過ごし、朝を迎えて陽が射して、惨劇のあとを去り、一応の決着を見るというような。そしてホラー映画には続編がそこから展開されるが、今回は既にパート2。これ以上の続編はもうない予定だ。自分の体を監督する俺としては。

初回の手術、そして1ヶ月あまりでの再手術と、ジムから結構遠ざかり、体もリビルドしなければならない。病院の道路向かいには、旧築地市場があった。上から見ると、もう跡形もなく、整地されていた。自分の体は見る影もないというほどにはなっていないと思うが、ちょうどスクラップ&ビルドの心境としては、その地と同じだなと思いながら、入院中、食堂からそれを眺めていた。

築地市場の跡。
築地市場の跡。

2 Replies to “癌の記録 再入院、再手術、リカバリー”

  1. 明けましておめでとうございます❗
    その後、如何でしょうか❓
    僕も先月、無事に誕生日を迎え52歳になりました❗パートナーからの温かいメッセージは嬉しい限りですよね。
    元気そうに振る舞っていますが、内情はそうでもなく、日々老化と戦っています。JOEさんの日記を読んで、辛いのは自分だけではないのだと勝手に解釈していたりします。
    これからが寒さの本番、風邪に気を付けて養生されて下さいませ。

    1. 明けましておめでとうございます。その後はおかげさまで順調に推移しています。
      これくらいの年齢は何かと色々不具合が出てきますよね。
      お互い気をつけて、ケアを怠らずすごしたいものですね。

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