先週末は俺とじょにおが一緒に暮らし始めて丸6周年の記念日だった。一緒にいることがこれほど自然で、毎日楽しく暮らしていることはなく、お互いに感謝をしつつ過ごしてききた。6周年は食事に行くなどの特別な祝い事はせず、家で食事をした。
例によってシャンパンも飲んだが、しかしそのシャンパンも、日常を見つめ直す意味で、敢えてスタンダードキュヴェを選択した。
Perrier-Jouëtはじょにおの好みのシャンパンメゾンで、俺も大好きだ。スタンダードとはいってもさすがPerrier-Jouët、可憐な花々の香りに、端正に仕込まれた味わい。昨今流行りのエクストラ・ブリュットやブリュット・ナチュールと違い、ほどよいドサージュ（澱抜き後のリキュールによる補糖）の加減もまた優しくていい。ほっとしつつ華やぐ時間を与えてくれる。
そういえばその日の夕方、虹が出ていた。ちょうど6年前、引越を終えて俺が来た時にも虹が出ていた。
これは吉兆……かと思われたが、実際はさにあらず。その数日前に車で信号待ちをして止まっている時に後ろから追突され、バンパーのクロームモールが凹んだ。
そして2日前には俺が別件で怪我。ノアノアが動物病院前で手から離れて脱走し、それを捕まえようとして転倒して怪我を負った。ノアノアを車からおろしたところで、首輪がリードに繋がっておらず、路上をかけだしてしまったのだ。
車通りの多い車道のすぐ隣の歩道を走るノアノア。本犬は追いかけっこでもしているつもりなのだろう。が、こちらは気が気でない。先月、交通事故で亡くなってしまった友人の犬のケースが頭をよぎる。しゃがんだ姿勢で捕まえようとするもノアノアが急に方向転換してすり抜け、その時に俺は派手に転んで膝を路上でジャギジャギにすりおろしてしまい、かばおうと手をついて突き指はするわ腱は痛めるわ。むろん擦り傷もあちこちに。
結局、ノアノアはほどなく無傷で確保できたものの、人間は大ダメージ。今も膝に包帯を巻き、あちこちに湿布と傷パッドを貼ってこれを書いている。無論どこへも行けず。
虹は古来、不吉の象徴であったという話もある。この程度で済んでいるのは不幸中の幸いか。しかしレインボーはLGBTの象徴でもあるのだし、こんなことには負けない！