過日、じょにおが誕生日だった。今年はどうお祝いをしようかと考えていて(といっても毎年大体は食事、ケーキ、花、シャンパン、誕生日カードといったところだが)、ふとフルコースを作ってみようと思い立った。4月にノアノアを家に迎えてうちはバタバタしているし、俺は俺で専業主夫状態だしということで。
誕生日当日はじょにおが夜遅くまで仕事だったので、食事は翌日。当日はまずプレゼントのVeuve Clicquot Pondardin La Grande Dame Brut 2004と、それに合わせてカラーコーディネートした花束を。
そしてお約束のケーキ。期間限定のピエール・エルメ『フェティッシュ』は悦楽の味。
さて、メニューを考えるために、引っ張りだしてきた本がある。ル・コルドン・ブルーのテキスト。前に何冊か買って、眺めはしていたものの、ろくにきちんと読んでいなかった。しかし、あらためて読むと結構参考になる。基礎的な用語も解説してあるし、家庭ではどうしたらいいのかという代用方法のサジェッションもある。何より、読んでいるとやれる気になるというのがいい。(笑)
うちにあるのはこの3冊↓
これらに載っているメニューからピックアップし、手に入る食材で組み立て直して、こんなメニューにした。
トマトのコンフィ パイ仕立て
ホワイトアスパラガスのムースリーヌソースフォアグラ入り野菜のテリーヌ
ディル風味の平目のマリネ
オマールのビスク
鯛のポワレ アニス風味
鴨フィレ肉のスパイス風味
コーヒー
と
ケーキ
先に全部を写真で見せるとこんな感じ↓(コーヒーとケーキ除く)
今回はパンも手作り。パン焼き器で時々パンを焼いていて、パン生地もできるので、生地作りまでは機械に任せて、バターロールを焼いた。
テリーヌとマリネはまず前日仕込み。
その他諸々の準備をして、当日の食事。
まずはトマトのコンフィ パイ仕立てとホワイトアスパラガスのムースリーヌソースから。
La Grande Dameは食事で飲まず独立して飲みたいとのじょにおの希望で、食事はいつものPiper-Heidsieck Brutで。PHは合わせる食材をあまり嫌わない対応幅の広いシャンパンなので、安心。
パイにはくるみをちらして焼き、オーブンで1時間焼いて仕上げたトマトのコンフィを詰める。ホワイトアスパラガスはフランス産。本にはコンフィはタルト仕立てで載っていたのを、その隣のページにあったアスパラガスのパイ詰め料理とコンバインさせてアレンジ。
実は犬達が落ち着かず、絶妙なタイミングでトイレをしたりしてあたふた処理に追われて、出してから少し時間が経ってしまい、ムースリーヌソースが流れてしまった。その辺はやはりうちでの食事。
そして、テラスにいると犬が騒ぐので(プットニョスは騒がないが、ノアノアは我々が何をしているのか気になってしょうがないらしい)、外を断念して中に入って食事続行。
次はテリーヌ。
フォアグラはじょにおの大好物なので、パテを別添でも供した。テリーヌは以前じょにお家の集まりで作った物とは別物。反省点としては、ジュレをレイヤーごとに流してしっかり入れておかねいと、崩れやすいということ。でもまあ、大体はよしとする。(笑)
さて、テリーヌと同じく前日に準備した魚の身をスライスして、ディル風味の平目のマリネを供する。
カルパッチョのようにドレッシングを別に作ってかける。カルパッチョと違うのは、これは前日に仕込んだので身がかなり引き締まっていること。薄切りが肝心。平目を使ったことと、仕込み時にタラゴンを入れたことがアレンジ点。
次はスープ。最近のコース料理はスープは省略されることが多いが、じょにおはスープ好きなので入れた。
実はこのスープのみ、フォションのスープで手作りではない。ただ、上にかかっている白いのはうちでやったもの。イタリアンパセリを刻み、ゆるく泡立てたクリームと合わせた。
魚と肉はこんな感じで。
アニス風味のソースがポイント。生のフェンネルが手に入らず、つけ合わせは新玉ねぎをフェンネルシードとはちみつでソテーした。ソースにはパスティスを使うのが本筋だが、パスティスも手に入らず、コニャックで。結果、成功。魚の身も、皮目はパリっと、中はふっくら仕上げることができた。
スパイスは、コリアンダー、クローブ、シナモン、ナツメグを使用。付け合わせにはリンゴのスライスのバターソテーと、リンゴのムースを。スパイスの組み合わせが温かい感じの香りだが、重くなりすぎるかなと思い、レモンピールをちらした。鴨もじょにおの好物なので、好評。
とまあこんな感じでやってみたが、家で作るとなるとハーブやスパイスなどを一から揃えなければならないし、材料を買う手間、作る手間、片付け、と色々あるし、まだまだ落ち着かない子犬も傍にいて、犬の夕食の時間やらトイレをしたやらで食事は中断するし、トータルで考えると食べに行った方が…と思わなくもない。でもまあ、こういうことは気持ちが大事。(笑)
その点では優雅さがあまりなかったように思うが、じょにおは果たして気に入ってくれただろうか。
ともあれ、34歳の誕生日、あらためておめでとう。新たな年齢の年がいい年でありますように。