前日は11時過ぎには就寝。各人運転で疲れていたのでよく眠り、翌朝は沢の音で目覚めた。山間の清冽な空気が心地よいが、そこで朝の散歩などはしないのが我々(笑)。朝食を済ませ、予定も決めていなかったので、どうするか少し考えて、高山市に行ってみることにした。宿からは車で小一時間。
高山市に着くと、さすが夏休み期間で結構な人出。気温はさすがに山中よりは高いが、暑くてしょうがないほどではなく、歩き回っても苦ではない。しばらく土産物を探しつつ宿場町の趣きを遺した町並みを散策。
まーが「なんで(飛騨高山で)ミサンガ?」と尋ねたところ、うーたんの次女が手編みのミサンガを作ってくれたとかで、そのお返しにとの親心。なるほど、なら納得。まだ小学生の子供なら、漬け物やら朴葉味噌やらをもらうより、その方がお父さんのお土産としては嬉しいに違いない。
各々土産も買ったところで昼時に。昼には飛騨蕎麦を食した。たまたま入った石臼挽き手打ち蕎麦の店が当たりで、わさびは生わさびが出てきて鮫皮のおろし器でおろす。香り高くいい蕎麦を食べることができた。飛騨牛も食べたいなと思っていたところ、飛騨牛のロースを焼いで乗せた丼がつくセットがあって、そちらも旨かった。
さて、昼も食べて、それから和歌山まで帰らねばならないうーたんの都合も考え、ここ高山で我々は別れることに。うーたんとまーは、まーの車に乗って帰っていった。
俺はといえば、帰省の渋滞予想が酷いことになっていたので、それに巻き込まれないように、かえって遅くに帰途につくことにした。そこで、まーに勧められて、白川郷まで足を延ばすことに。暑い中東京で働いているじょにおには悪いなと思いつつも、じょにおに一報を入れて、ここは気ままな一人旅をさせてもらう。
ここまで来ると金沢やら富山やらが近いのか、と地図を見て少々驚きつつ、移動開始。途中はさほどでもなかったが、近づくとやや混んで、1時間半かけて到着。こちらも夏休み中ゆえ盛況で、臨時駐車場に車を停める。茅葺き屋根の家々がそこここにあって、写真を撮るポイントはたくさんあり、みんな盛んに写真を撮っている。
上の3つの写真は有料で入る「合掌造り民家園」という所にあった物のうちの一部。どこかテーマパークのような感じさえしてしまうが、それでも保存状態が良く、手入れも行き届いた家々は一見の価値がある。
この白川郷を見下ろす小高い場所に展望台があって、郷内から20分に1便シャトルバスもあるが、休みで人も多くて乗れそうになく、歩けなくはなさそうな場所だったので、登山道のような(といってもたかだか15分程度で登れる道ではあるが)道を徒歩で上って見てみた。
多少めんどくさくはあるが、多分再び来る機会もそうそうないと思い。なお、その道は結構な急坂で、本当に登山道のような状態なので、行く人はサンダルなどで行かないように注意。
さて、これらを見たところで午後4時過ぎ。ここから帰ろうと自動でナビ検索すると、石川→富山→長野→(関越)という道を示す。さすがにそれはないし、運転も疲れる。どうせ時間をつぶすなら、山梨のほったらかし温泉にでも寄ってぬるいお湯に浸かって休憩して行くべし、と経由地を設定して出発。
この松本まで出るのが長かった。行きの山道のようにほとんど車もなくスイスイならいいが、観光地から松本までのメジャーな道路はこれ1本で、結構長時間の運転に。
結局温泉に着いたのは午後9時過ぎ。入れないほどではないが、ここも人が多くて、それでも夜なので落ち着ける。露天の一角に場所を確保して、ゆっくりお湯に疲れを溶かして、出たのが10時間際。
ここから東京までは中央道で一本。懸念された小仏トンネル辺りの渋滞もその時間になるとほぼ解消されていて、トンネル内でややノロノロだったものの、じきに通り過ぎることができ、家のドアを何とかその日のうちに開けることができた。
こうして恒例の年中行事を終えた訳だが、話がツーカーで通じる気のおけない友人と会うのはやはり楽しい。日頃繁く連絡を取り合う訳でもないし、SNSで繋がっている訳でもないが、人の繋がりの強さというのは、たとえばコミュニケーションツールがきっかけになって知り合ったにしても、もっと別の感覚的な何かにあるのではないか、と感じられた。
蛇足:自動車メモ
今回はトータル741km走った。燃費は16.9km/l。山道を走ったのも含めてこの燃費だと、アイドリングストップ機構のないこの車では結構いい方だと思う。
車のエンジンの吹けは上々。山道だとパドルシフトが特に役に立つ。シートもフランス車の美徳の一つで、フワフワではないがしっかり体を支えてくれ、腰痛とは無縁。少し荒れた普通の道では少し硬めに感じられる足回りも、高速道路だとしっとり、しかししっかり踏ん張ってくれるので、カーブの連続の中央道などでは安心感がある。やはりこれもヨーロッパ車、長距離に向く感じだと実感した。