だんだんシンクロ


カップルは付き合っていると似てくるという。似たもの夫婦とか、美輪明宏がどこかで言っていたが、「牛は牛連れ、馬は馬連れ」ということわざがあるようだ。ゲイでいうと、「ネエサンはネエサン連れ、ガチムチはガチムチ連れ」。(どちらもあまり想像したくないが)

この前の緊急脱出(未遂)別編の時に、後で聞いてみたら、じょにおもお腹を下していたとか。まあそれは食事を一緒にしていれば同じ物を食べているのだから、両方腹を下すのは極当たり前のことで、似ているということではないのだが、まず俺が今の家に引っ越して2人で隣に挨拶に行ったら、隣の奥さんから「ご親戚ですか?」と聞かれた。じょにおが「いや、そうではないんです」と返すと、「あら、似ていたものだから」との返答があって、顔の作りやら身長やらは違うのだが、第三者からはそう見えるらしいと悟った。これは雰囲気がそう見えるのか、2人が何となく同じジャンルの人、という風に見えたからそう言ったのかは定かではないが。

朝、出かける時に何気なくフレグランスをつけたら、そのつけ方が自分と同じでびっくりした、とはじょにおの弁。一昨日は、2人とも夜帰宅後にぐったりして、(特別疲れるようなことはそれぞれなかったのに)着替えもせずにベッドに10時半頃に入り、そのまま朝まで寝ていて、早朝起きた。食事も、さっぱりした物が食べたいとか、今日はちょっとしっかり食べようとか、そういうことも大体一致してくるし、急に友達に会うことになって外で食事を済ませてくるとメールしておかないとと思っているとメールが来て、じょにおはじょにおで急に会食してくるということがあったり。それぞれ違う人間だし、性格も異なっているのだが、何とはなしにそんなタイミングやら傾向やらが、似てくるのだ。

価値観は別に「共有」しなくとも、違った価値観である場合は、違った価値観であるとお互い分かり合えて、なおかつお互いの立場を尊重できればそれでいいと俺は考えているのだが、俺は主義主張がはっきりしていて、なおかつ趣味性ということにもうるさいので、似ていたり同じであったりすれば、よりすんなり行くので都合がいいことには違いない。物質的なことでいうと、物の趣味というのがあるが、共通で使う大きな物の趣味趣向は、幸い俺がいいと思った物をじょにおは受け入れられるようだし(新居で買い足した大きな物は、大抵俺が「これどう?」というと「いいですね」と同意してくれて、買った物が多い。昨日の日記で触れたZeppelinもそうだ)、服の趣味などでも、ブランドの好みがあまりに違っっているとかいうことはないようだ。

それから、衆院選も終わったが、選挙に際しては必然的に政治がらみの話も家で出てきたのだが、政党や政策の是非についても、あまり違った傾向がない。好きな政治家ははっきり聞いていないが、嫌いな政治家なんかは大体一致するようだ。かつての知り合いで、「愛は政治を超えられない」と言っていた、元左派の人がいたが、確かに生理的に好きでも、政治思想があまりに違うと、不幸を招くと思う。この辺り、ゲイカップルではあんまり思想の食い違いがどうのという話は聞かないが、考える人間である俺としては、やはり見過ごせないところだ。以前付き合っていた人が右傾化した思想の持ち主で、ちょっとびっくりしたことがあった。皇室関係のあまりシリアスでない種類のニュースを茶化して言ったら、「天皇を馬鹿にするな!」と言って半ば本気で殴られたのだ。まあそんな例はおいておいて、ともかく、シンクロしてきたということは、牛同士になってきたのか馬同士になってきたのかは知らないが、形になってきたのだなあと思う。