澁澤龍彦(著) (★★★☆☆ 星3つ) この本を読んで、澁澤に対する心証が少し悪くなってしまった。澁澤はもともと論理などからは乖離したところにいる、良くも悪くも文学的な人間だから(本人もこの本の中で法律などには全然興味が…
投稿者: JOE
澁澤龍彦(著) (★★★☆☆ 星3つ) 澁澤龍彦訳のマルキ・ド・サドの本『悪徳の栄え』を高校時代に読んだのも懐かしい。 それはそうと、この『黒魔術の手帖』は黒魔術の手引きではなく、黒魔術のヨーロッパでの成り立ちを中心に書…
瀬戸内寂聴(著) (★★★★★ 星5つ) 釈迦の涅槃入りの時期を、釈迦に司えた一番弟子のアーナンダの立場から記しているが、回想の形で釈迦の一生と、それを取り巻く人々の物語が非常に分かりやすく書かれているので、仏教徒でなく…
天使 (★★★★★ 星5つ) ↓の『バルタザールの遍歴』がすごかったので、佐藤亜紀の作品に興味を持ち、次作であるこれを読んだ。初回作の圧倒的展開と知識量に慣らされていても、なおこれを読んでそれらに驚かされ続ける。緻密なプ…
深海のYrr (★★★☆☆ 星3つ) (★★★☆☆ 星3つ) 簡単に箇条書きに。 良い点: Yrrの正体が従来にありがちなクリーチャーでなく、新しい。 パニックムービーやSFにあまり出てこないロケーションが舞台になってい…
屍者の帝国 (★★★★☆ 星4つ) 早逝が惜しまれる伊藤計劃の後を継ぎ、伊藤が生前交流のあった円城 塔が書き上げたという異色の小説。これを円城が書いたのは相当大変だったのではないか。伊藤も才能のある小説家だが、他者の着想…
屍者の帝国 伊藤計劃×円城 塔の本作については別ページ参照 虐殺器官 (★★★★★ 星5つ) 近未来SFなのだが、アメリカが舞台になっている。というよりは、より正確に言えばアメリカ軍に所属する主人公がある人物を追って世界…
死者の書・身毒丸 (—– 評価不能) どうにも自分の読解力のなさを痛感した一冊。面白いかつまらないかということの前に、文章が頭に入ってこない。 まず『死者の書』だが、出版は1943年という戦後の年…
黒祠の島 (★★★☆☆ 星3つ) 探偵小説は久しぶりに読んだ。結果は、まあまあといったところだ。グロを売り物にするエンターテインメントが氾濫して刺激に慣れっこになっていると、この本は殺人や因習に支配されているおどろおどろ…
岡本太郎(著) (★★★★★ 星5つ) 「芸術家は作品がすべて、言葉で語るのではなく、作品で言いたいことを表現せよ」とはよく言われることだし、芸術家自身でそう主張する人も大勢いる。しかし、語ったっていいじゃないか。どうい…