音楽レビュー Cyndi Lauper


Playlist: The Very Best of Cyndi Lauper (2010)


(★★★★★ 星5つ)

Cyndi Lauperのベスト物はいろいろ出ているが、既に知っているアーティストというのが頭にあって、今まで聴いていなかった。が、今回あらためて聴いてみると、彼女はすごいアーティストだということを、今さらながらに認識させられる。

彼女にぴったりな形容詞は「すごい」だ。「すごい」のである。2008年に武道館ライブを観に行った時にも、容赦しないで押しまくるのもすごければ、かと思うとスチールギターをペロンペロン弾きながらまるで旅の一座のように孤独に歌う様もアーティストの孤高を感じるようですごかった。アーティストとしてデビューした時の勢いもすごかったし、それがその時だけで終わらず、今になっても輝いているというのも、すごいことだ。

聴くと、当時ならではだなあと思う音作りの曲もあるが、メロディーと詩とハーモニーという、曲の骨子がちゃんとしている。ちゃんとしていながらオリジナルで、そこがタイムレスな輝きをもたらしているのだと思う。彼女はパフォーマーとしてだけでなく、ソングライターとしてもすごいのだ。ヒットした当時とは異なったアレンジの曲もあるが、新鮮な魅力がある。あの名曲”Time After Time”は、Sarah McLachlanとのデュエットで聴かせてくれる。アレンジはシンプルなのだが、はっとするような存在感があって、いい。Cyndi Lauperのベストのどれかは”must-have”アイテムとして、1家に1枚、いや1人1枚お勧めしたい。