音楽レビュー Celine Dion


Loved Me Back To Life (2013)


(★★★★★ 星5つ)

Celine Dionを初めて聴いたのは、オリジナル曲ではなくリミックス版の”Love Can Move Mountains”(1992年)だった。聴いたのはあの芝浦GOLDでのこと。そのせいか、ヒットが出るとそのリミックスはどうだろうかとハウスに注目して聴いてばかりいて、実はオリジナル・アルバムを通して聴いたのはこれが初めてだ。

で、どうだったかといえば、素直に良い。メロディーは各曲美しいし、この飽和な世界にあってまだメロディーは生まれるのだということを教えてくれる。歌声は円熟味を増して、しかしまだまだ伸びやか。エモーショナルながらコントロールされた歌い方はさすがだ。

曲のタイトルだけ見てフィーチャードアーティストの名前をろくに見もせずに聴き始めたのだが、その中に”Overjoyed”があって、「ああ、スティービーのカバーか」と思っていたら、まさかの本人登場のデュエットに仕立てられていた。それが不思議と合う。総じてエンターテインメントの王道にして正道、そして本物との印象。誰にでも薦められる音楽だが、やはりリミックスはダンサブルでそれもいいところ。タイトルソングのDave Aude Club Mixはしっかり踊れる仕上がり。(2013/11/5 記)