音楽レビュー LaBelle


Back To Now (2008)


(★★★☆☆ 星3つ)

往年の名グループLaBelleが久しぶりに再結成して出したアルバム。が、LaBelleとして出された意義は、アルバムを聴いてもよく分からなかった。

メインボーカルのPatti LaBelleは、あまりにも偉大な歌手であるがゆえに、他の2人が文字通り「他の2人」という存在でしかない。Chaka KhanがRufusと、Gladys KnightがPipsと訣別したように、LabelleはPattiのヒストリーにとって、かつてそこで脚光を浴びて活躍するのに好適な場であり、グループでやる必要はあったが、一人立ちして成功した時には、過去は過去と考えねばならない古巣でしかない。

アルバム自体は、やはり懐かしのLaBelle同窓会といった趣で、しかしPattiのためとしか思えない曲が並ぶ。元々がLaBelleの名なのだから、当たり前といえば当たり前か。曲は最近の意味なしR&Bと違って、メロディーもしかっかりしていて聴けるのだが、全体の構成として見ると、出色の出来と言える曲は見当たらない。しかしもちろん、Pattiの歌唱力はさすが。そしてやはり、Pattiのソロアルバムの新しいのが聴きたくなってしまう。