音楽レビュー Jodeci


The Past, The Present, The Future (2015)


(★★★★☆ 星4つ)




まさか2015年になってJodeciの新譜を聴くとは思わなかった。ニュージャックスイング華やかなりし頃、骨太のグルーヴで印象深かったJodeci。その後はJodeciの構成メンバーのうちK-Ci & Jo Joの方は時折聴いていた。爽やかなバラード”Tell Me It’s Real”のヒットもあって一時期は日本での企画盤もあり、2人路線でやっていくのかと思っていた。DeVante SwingとMr. Dalvin兄弟の方はキャリアを追っておらず、このアルバムで久しぶりに声を聴いた。

オープニングナンバー”Too Hot”では分厚いコーラスでJodeci健在を感じさせる。コーラスグループは数あれど、Jodeciはコーラスグループでなく、2兄弟のダブルデュオといった趣で、その誰もがソロを取る能力を持っているのが強い。骨太の印象はそのままだが、このアルバムの収録曲はスロー~ミディアムが多く、何だかLSGを聴いた時のようなややもったりした感じがする。2兄弟も跳ねるような年ではないということか。

聴いて行くに連れ、K-Ci & Jo Joとの違いが曖昧になってきた。近年のK-Ci & Jo Joは、”Tell Me It’s Real”の印象を覆そうとするかのような重いグルーヴで、この先どう展開していくんだろうかと思っていた時に出たのがこのJodeciとしてのアルバム。そうか、これで行くのかと、どっしうもったりを聴きながら、あらためてニュージャックスイングは過去の徒花だったのかと、少々残念に思った。疾走するR&Bを聴きたい。(2015/4/9 記)