音楽レビュー Janet Jackson


Unbreakable (2015)


(★★★★★ 星5つ)




ワールドツアーも間近のJanet Jackson、久方ぶりのアルバム。自分にとって初めてのJanet Jackson体験はあの名盤”Control”。ダンスとともに夢中になったものだ。それから幾星霜、あまりにも親しみすぎた音に、レビューのページさえ割いておらず、このアルバムレビューがここに記す初めてのレビューだ。

自分にとってのJanetの音といえば、好きだったのは2004年の”Damita Jo”まで。2006年リリースの20周年記念アルバム”20 Y.O.”がピンと来ず、2008年の”Discipline”は少し聴いた程度。近年Janetはアラブの富豪と結婚というニュースがあり、もう復活はしないものと思っていた。

それはそうとこの”Unbreakable”で、Janetは本当に戻ってきた。時代に流されることなく、彼女自身を存分に表現している。それにはプロデューサーJam & Lewisの功績が大きいだろう。その中意外だったのは、”Dammn Baby”で、この曲だけは最近のR&Bに迎合しすぎていただけないなと思ったら、これも彼ら他1名によるもの。しかし他はJanetにしか成し得ない世界を展開することに成功している。

年月を経て、ややJanetの声のキーは下がった気がする。それと共に血を感じさせたのが、”The Great Forever”での歌声。「え、Michaelの曲が収録されてるの??」と思ってクレジットを見直すくらいに、声がMichaelそっくりなのだ。Michaelが得意だった3連符のミドルテンポグルーヴと共に、これは多分わざとMichaelを想起させるように歌っているのだろうが、驚いた。”Gon’ Be Alright”も然り。”Gon’ Be Alright”はロック系の音で、名曲”Black Cat”を思い出したが、”Black Cat”はJanetらしかったのに対し、”Gon’ Be Alright”は声といい、途中で入るホーンセクションのアレンジといい、これもMichaelのようだ。

いずれにせよ、昔のJanetを知らない人でも、これは聴いておくべきアルバムだろう。久しぶりに繰り返し聴いている。(2015/10/4 記)