音楽レビュー The Baylor Project


The Journey (2017)




ゴルペルジャズという珍しいスタイル。自らのレーベルから出したこれがデビューアルバム。Jean BaylorとMarcus Baylorの夫婦2人によるプロジェクト。

音はセントルイス出身であるMarcusから導き出されたのか、正統派の落ち着いたジャズサウンドで、そこにテンプル大学でボーカルパフォーマンスを専攻したというJeanの透明感ある声が重なる。夫婦がゆえか、まとまりのある音。ゴスペルとしての曲だけではなく、スタンダードな曲も収録されている。”Summertime”は完全に脱構築されたのち、新しいメロディーを得てオリジナルの違う曲に仕立てられていて、面白い。”Afro Blue”では、リラックススタイルから一転、ソウルフルな趣。曲構成に緩急があってよい。

俺はキリスト教徒ではないので、ゴスペルというと、少し距離を感じてしまうのだが、試しに聴いてみて、音楽のクオリティーの良さを感じることができたのは良かったと思う。(2017/10/1 記)