音楽レビュー Sol!


Upfront (2017)


(★★★★★ 星5つ)




R&Bなのか、スムースジャズなのか、迷うところだが、Gerald Albrightをフィーチャーしているところや、レーベルがPacific Coast Jazzであることから、ひとまずはこのサイトではジャズに分類しておく。しかし、Luther Vandrossを思わせる伸びやかな声質と、親しみやすいボーカルスタイル、選曲(後述)などからは、R&Bといえるかもしれない。

クリアーで明るい声質は、誰にでも好感を持たれるもの。S.O.U.L. S.Y.S.T.E.M. (C+C Music Factoryの別名)の曲”It’s Gonna Be A Lovely Day”をカバーしているところなどは、そのポピュラー志向が面白い。元曲のDub House Mix IIIのようにダークなリミックスさえ期待したいような感じだ。しかし、完全にポピュラーという感じではなく、ボサノバ風の曲調・ピアノのアレンジなどには十分にジャズらしさを感じることができる。

先に述べたGerald Albrightをフィーチャーした曲、”That’s The Way That I Feel You”は、Gerald Albrightの自在なサックスと絡むボーカルが絶妙。Gerald Albrightは過去にWill Downingとの連名でアルバムを出したこともあるから、こうしたジャンルをまたぐようなことも得意なのだろう。

大人の休日、午後から夜あまり遅くない時間にかけて、軽快でリラックスした気分の時にききたい一枚。(2017/10/1 記)