音楽レビュー Nikki Yanofsky


Little Secret (2014)


(★★★☆☆ 星3つ)

カナダの若き才能、Nikki Yanofsky。その若さを活かすべくしてか、ジャズアルバムでありながら、多くの曲の音源構成がまるでR&Bやポップスのようで、ジャズといえばアコースティックな編成という定石を覆している。日本のユニバーサルミュージックのサイトでは彼女に「プリンセス・オブ・ジャジー・ポップ」なるキャッチコピーをつけていて、歌いぶりや曲そのものは正統派のジャズで、アシッドジャズ(というジャンル分けが今まだ有効だとするならば)のような尖った感じはしない。

このアルバムは要するにジャズを今の世代にも親しみやすくしたアルバムで、何となく野暮ったい感じがしなくもないのだが、それでも若い才能がジャズを志すというのは、とかく古い盤や大御所ばかり聴かれがちになってしまうジャズ界としては歓迎すべきものなのだろう。今後の活躍が期待される。(2014/11/16 記)