音楽レビュー Aga Zaryan


Picking Up The Pieces (2007)


(★★★★☆ 星4つ)

エキゾチックな国の出身アーティストは、1作目で注目を浴びることはあっても2作目以降が本国以外でなかなかリリースされなかったりする。その点、これが↓のMy Lullabyに続いて出たことは嬉しい。

前作が夜更け向けであるとするならば、これはもう少し軽快で、ディナータイムや休みの昼下がりに聴いてもしっくりくるような曲目が並んでいる。歌い方も、ジャズらしいジャズを目指したのかと思われるMy Lullabyよりは軽快で、より自由な感じがするが、軽過ぎはせず、空間を支配する力を持っている。

My Lullaby (2002)


(★★★★★ 星5つ)

ワルシャワ出身のジャズボーカリストで、ヨーロッパでは高い評価を受けており、世界的に認知されつつある人とのこと。

聴いてみると、しっとりとシックな世界を展開している。感情の表現と抑制された知的な表現が見事に調和していて、インターナショナルに通じる力を持っていることが分かる。夜更けに低く流すと、その空間が上質な空気で満たされるような一枚。