音楽レビュー Moodymann


Moodymann (2014)


(★★★★★ 星5つ)

デトロイトハウスなのだがディープハウスでもあり、テクノのようでもあり、ジャンル分け不能のようでもある。デトロイトハウスというとCarl Craigはあまりにもサウンドの中身が空疎で聴く気がしなかったのに対して、Moodymannには色がある。少しコンセプチュアルで、アルバムにストーリー性を持たせてあるところもいい。

サウンドスタイルは自由で、時代をも飛び越えているように聴こえるので、アルバムを聴くうち、自分の中のヒストリーを掘り起こしたり、行きつ戻りつしたりする感覚になる。そしてそれは今の自分の嗜好はなんぞやと考える契機となる。

本来音楽とは自由であるべきと思いながら、ジャンルとかスタイルでいつの間にか区分けして聴いていたり、ミックスの時に繋げやすいかとかいうことを考えて聴く曲を選びがちになっていることに鋭い批判を向けられたようで、ハッとした。(2014/3/30 記)