映画レビュー ムカデ人間2 (The Human Centipede 2)



(★★★☆☆ 星3つ)

カルトムービー。前作はホラーの域だったが、行き過ぎ感や描き出しているプロットやシーンの凄惨さ、そしてオチのチープさ、すべてがカルト。人選からして主演の男の外観的な共感できなさっぷりがすごい。そしてそのギョロ目のチビデブ(デブといってもそれが極端な垂れ下がり腹で、ご丁寧にも服を着ずにそれを披露してくれる)が、セリフなしでの嗚咽や叫びやらだけで全編こなすというのがまたすごい。

すべてにおいて救いのないこれについては、「前作を観れてもこれはダメ」という人も多かろう。激しく倫理感を揺らし続けるこの映画にあっては、並みのスプラッターホラーで出てくるハイライトとしての人体の損傷シーンはむしろほっとひと息つけるほどのもの。とにかく、この映画は嫌悪感の限界に挑戦し、大抵の人には映画が勝利する。評価するには相当なフリーマインドが必要だ。(2013/10/21 記)