映画レビュー シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜 (Comme Un Chef)

映画レビュー『シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜』
映画レビュー『シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜』


(★★★★★ 星5つ)



単純に笑えて面白く、観終えてハッピーな気持ちになる。首になった一言多い元シェフをミカエル・ユーンが、経営会社との確執がありつつミシュランの星の維持に頭を痛める著名シェフをジャン・レノが演じているのだが、この映画で光っているのはジャン・レノよりも、あまり名の知られていないミカエル・ユーンの演技。あともうほんのちょっとでも踏み外すとやりすぎ感でくどくなるところを、実に巧いバランスでストーリーに引き込んでくれる。そして、役どころに没入させてくれるところも秀逸。それと比べるとジャン・レノは良くも悪くもジャン・レノ。

この映画で傑作なのは笑いのツボなのだが、クスリと笑わせたり、爆笑させたり、毒気のある風刺にニヤリとさせたりと、笑いにバラエティーがあるのがまた良い。2人がとあるレストランに潜入する変装と振る舞いなどは荒唐無稽さにワハハと笑えるのだが、その笑いと同時にモレキュラーキュイジーヌを徹底的に皮肉ってみせるところには拍手喝采。あれは料理が分かる人なら誰が観てもエルブリを皮肉っていることが分かって痛快。

食、殊にレストランを主題に扱った映画は数あるが、妙なエロティックロマンスを差し挟まず、テンポよくやってくれるとスカっとする。

ところでその秀逸なミカエル・ユーンだが、あまり過去の出演作品について情報がない。『サン・ジャックへの道』(本サイトレビュー未掲載)で知的障害のあるアラブ系のフランス人を演じたのはミカエル・ユーンではないのかなと思っていたりするのだが、調べきれなかった。とまれ、本作はお勧め。(2015/5/22 記)

記事が気に入ったらWeb拍手を。ボタンかリンクをクリック!