映画レビュー アポカリプト (Apocalypto)



(★★★★☆ 星4つ)

マヤ文明が舞台だが、生贄の設定が史実として考証されていることとは大幅に異なっていて、凄惨なシーンをドラマティックに仕立てる「だし」にしか過ぎないのが残念。

しかし、見たいと思っても見られない光景を映像化したのは見事。血しぶきや死体を見たいと心のどこかで人間は思っているのかもしれないし、ジャングルの中の 古代人を手に取るように感じたいと思っているリアリティ追求の心と、ファンタジックな冒険への憧憬とのいい妥協点ではあると思う。

ただ、ここまで映像リアリティを追求して、観る側がR15指定の層ならば、勧善懲悪なストーリーは平明すぎるかもしれない。要するに、最近スプラッターホラーは出尽くしたところにちょっと毛色を変えて出てきた娯楽作品。そう思うと楽しめる。