飲食店レビュー 鉄板焼き みその(鉄板焼き 西新宿 住友ビル)

A5等級神戸牛。さしの入り方が美しい。
A5等級神戸牛。さしの入り方が美しい。

(★★★★★ 星5つ)

鉄板焼き みそのは神戸三宮に本店を構える鉄板焼きの老舗。東京にも銀座と新宿に店があり、今回行ったのは西新宿の住友ビル51階にある新宿店。

この手の店だから当然予約は必須。お盆休みの期間で市場が閉まってしまうので、海鮮は予約時に指定。今回はあわびを注文しておいた。通されたのはカウンターの一番窓寄りで夜景の映える特等席。(特に便宜をはかってくれるよう頼んだわけではない)

この種の料理は奇をてらわず、基本を変えず、あくまで素材のおいしさを至極まっとうな方法で楽しませてくれるに限るが、そうした期待にこの店は存分に応えてくれる。我々を担当してくれたのは主任のTさん。神戸の本店からここに移り、鉄板焼きでの働きは35年というベテランで、安定した焼き技。朴訥とした口調だが、料理の説明も、ちょっとした料理のエピソードも披露してくれ、食事が一層楽しい。

あわびはふっくら。もちろん新鮮な生きた状態で出てきてすぐさま調理してくれるので、ひもも肝も癖のない味わい深さ。肝心の肉だが、等級に分けたなかからチョイスできる。ここはひとつ最高グレードの神戸牛を味わってみるべく注文。いわゆる冷しゃぶもコースで少し出てくるが、ここではそれを「洗い」と称する。口の中でとろける洗いは、そこいらの冷しゃぶで思い浮かべる野暮とはまったく違う。
そしてステーキ、これも至福。神戸牛のA5等級肉は、他の牛肉に比べ、脂の融点が低く、常温で切って置いておくと溶けてしまうのだとか。それをエッジの効いた切り口も美しい状態で出してきて、熟練の技で調理してくれる。なんとも芳醇で贅沢な味わいに思わず目を細める。一緒に飲む酒は赤ワインがベスト。ブルゴーニュ、ボルドー、キャンティ、バローロ等各種揃っているが、脂がおいしい肉とはいえ味わいは繊細なので、パワフルすぎる濃いものよりもある程度エレガントなものの方が、結果肉もワインも両方の味を楽しめると思う。
コースメニューにはなく、追加注文扱いにはなるが、脂身をよく焼いて余計な脂を出したあと、ガーリックとともにご飯に混ぜ込んだ特製ガーリックライスがこれまた絶品。それも是非味わってほしい。オーセンティックな店だが禁煙なので、安心して料理を堪能できる。(2013/8/16 記)

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