飲食店レビュー Tribeks(フランス料理 新宿 小田急ホテルセンチュリーサザンタワー内)


(★★☆☆☆ 星2つ)

Tribeks(トライベックス)は、新宿 小田急ホテルセンチュリーサザンタワー内にあるカジュアルフレンチの店。今回はパートナーの弟(学生さん)の内定祝いで、肩肘はらず気軽に行ける所ということで選択。住所的には渋谷区代々木だが、アクセスは新宿駅の新南口が便利。ロケーションは高層ビルの林立する西新宿とは少し離れていることもあって、窓際席を予約するとよい眺望が得られる。

入口にはワインセラーがあって、インテリアのアクセントのひとつになっている。ただし、インテリアのアクセントにはなるが、ワインリストは徹底的にに冒険を避け、かつ本数をストック管理するリスクも避けた感じで、はっきり言って退屈。
入ると、パーティー席がまずあって、オープンキッチンを仲介して(あまり片付けられていないのが目立った)、その奥にテーブル席が展開されている。

案内された席は窓際で眺望はまずまずいいのだが、距離を置かない所にマネージングキャビネ(伝票が置かれていたり、カトラリーをしまう引き出しがあったりするキャビネ)があって、始終人がきて少し落ち着かないうえに、物の出し入れが粗雑で音が気になる。それに、人が来る割には呼びたい時に気づいてくれない。

プリフィックスのコースメニューも退屈。かつ、量が少なそうだったので、行った計3人銘々にアラカルトからオードブルを追加。シャンパンディナーにしようとシャンパンをオーダーするが、来るのが遅い。かつ、来て近くに置かれた氷の入ったワインクーラーに出し入れするたびジャグジャグやられて、二流だなと思う。料理の味はまずまずだったが、ポワソン(鯛のグリル)は火を入れすぎ。ヴィアンドの焼き加減は俺はエクストラレア、パートナーはレア、お祝いされる人はミディアムレアにしたが、前二者はほとんど焼き加減が変わらない。デザートのマチェドニアはシロップが垢抜けない甘ったるさで、フルーツの味が活きていなかった。

サービスは一見まとも。に見えて、サーブする時の料理の説明はいかにも棒読みで暗記しました、といわんばかりだし、(しかも声が不明瞭)一品一品の間が空きすぎる。会計の時のカードの持って行き方もぞんざい。

思うに、こういう店は形としてのレストランではあっても、料理を供すること・レストランを経営することに何の思い入れもなく、ただホテルの中にあって経営も形骸化している、心の不在が問題なのではないか。ウェブでは祝い事での使徒などもアピールされているが、ホスピタリティーの精神がない所では、形式ばかりのものになってしまって、祝われる方も気の毒だ。
今回、お祝いをしたが、改めて祝い直してあげなければ失礼だな、と、ここを選んだ失敗を恥じた。総じて言うと、レストランごっこをしているような感じ。食の喜びは享受することができず、残念至極。