飲食店レビュー Le Manoir d’Hastings(フランス料理 中央区銀座6丁目)


(★★★☆☆ 星3つ)

Le Mannoir d’Hastings(ル・マノアール・ダスティン)はオーナーシェフ自ら築地へ足を運び、仕入れているのが売りのフランス料理店。俺の誕生日に、ランチで訪れた。

室内はフランスの田舎風のしつらえで、鉄筋のビルの地下ながら太い梁が渡された天井や、石積み(風)の壁など、クラシックな雰囲気。しかし装飾は抑えられていて、どちらかというとシンプル。

入店すると誰もスタッフがそれに気づかず、レセプションに人がいない。少しして出てきた女性は、コートとマフラーを預かるが、俺のショルダーバッグを預けようとすると、店内持ち込みではないのかとまごつく。こうした店では女性のハンドバッグは店内持ち込み、男性の大きめ鞄は預けが普通なのだが。

入店してからも要領の悪さは続く。コースを通じてシャンパーニュにしたいと告げ、ワインメニューを見、フードメニューに合うオーダーの相談をしようと思うが、先ほどの女性ともう1名いる男性はいずれもフロアーの様子に気を払わず、こちらに気がつかない。ようやく来てオーダーするが、引っ込んでいった女性がボトルを見せることなく抜栓だけしてミュズレ付きのコルクを持ってくる。そして、抜栓後も肝心のシャンパーニュがいつまでも注がれない。アミューズが来てもまだ来ない。尋ねるとセラーの温度になっているので冷やしていると言う。抜栓してから冷やしたのか???

注ぎ方も疑問。その例の女性なのだが、ボトルの真ん中をむんずと掴み、飲みかけのグラスに手をつけて注ぐ。客に出されている間はそのグラスは客のものだ。下げる時まで手を触れるべきではない。もちろんカツカツボトルがグラスを当てることも忘れない。そのグラスは、ホコリと傷が気になったので、注ぎ初め前に交換してもらったものだ。胸元を見るとソムリエ風のブローチをしているが、ソムリエの金ぶどうのバッヂではない。ソムリエではないにしろ、そのサービスの質は、店の意図する格からは遠くかけ離れている。

という訳で、サービスは三流。かなりのストレスを感じる。

料理はまずまず。前菜2品のコースにした頼んだが、各々の皿はまずまず。それぞれについて詳しくは下記の写真キャプションを参照してもらうとして(俺のオーダー分とパートナーのオーダー分合わせて載せている)、全般にはメニューの組み立ても良く、味も安定している。

なだけに、返す返すサービスが残念。リクエストしてあったバースデープレートも、いつまでも出てこないので、会計しようかとフロアーの男性を呼んだら、コーヒーの後にやっと持ってきた。帰りも、俺のバッグが無人のレセプションデスクに出しっぱなし。その前を横切って客が洗面所に立つ経路にあるのだが、不用心極まりない。おそらく、オーナーシェフは自分の店のフロアーでの様子を知らないのではないか。知っておくべき。