飲食店レビュー Allt Gott(北欧料理 武蔵野市吉祥寺)


(★★★★★ 星5つ)

Allt Gott(アルト・ゴット)は、吉祥寺にある北欧料理の店。「北欧料理」と、くくりは広いが、店頭にスウェーデン国旗が掲げられており、スウェーデン料理が主なよう。こじんまりとした店構えで、店舗は2階。階段を上がると、店の中央に配されたオープンキッチンが見える。常に賑わっており、ランチ・ディナーともに予約必須。今回は平日の夜予約なしで訪れて、たまたま座れることができた。店内は照明も抑えめで、落ち着いた雰囲気。しかし北欧の家具を思わせるような軽けいさと温かみのある、心地よい雰囲気。

夜のコースは¥3,675から(2010年1月現在)と、リーズナブル。ベーシックなコースを頼んだが、内容は充実していた。オードブルは盛り合わせ。北欧料理といえばにしんのマリネを思いつくが、ちゃんと入っている。あん肝のテリーヌも、重すぎずしかし味わいがあった。ディルが添えられているのも、爽やかで食欲をそそる。スープはヤナギマツタケ。ふわりと香るきのこの匂いと食感がよい。パンは自家製だとか。ハーブが生地に練りこんであり、アニス(?)の香りがする。しっとりした生地で好みの味。クネッケという、ライ麦の硬いパンも面白い味。牡蠣のコキーユは、三陸産の牡蠣に3種類のチーズをかけて焼いたもの。あまり重くなく、ペロリと食べられる。

メインの魚は本鱒のポワレ、赤パプリカとにんにくクリームソース。にんにくを使ってあるが、やさしめの味。鱒のポワレ自体の味がしっかりしているので、赤パプリカのソースは味よりも色を楽しむ印象だったが、一緒に行ったパートナーは、口に含んだ時の香りが好みだったとか。パートナーは肉料理をチョイス。牛タンの赤ワイン煮込みで、肉に焼き目はつけてあるが柔らかく、煮込んだ赤ワインソースも調和している。デザートアソートは、極オーソドックスな印象で、丁寧に作られている感じ。

接客は丁寧で、カジュアルな雰囲気だが、料理の説明もきちんとしてくれる。料理が出されてくるタイミングも適切。全席禁煙。