ブックレビュー 野中柊



(★☆☆☆☆ 星1つ)

登場人物にゲイとの設定で人物が出てくるがまったく混乱させた行動を取らせていて意味不明。よくあるBL物と同等の、ゲイをアクセサリーのように扱う女性作家のファンタジーの押しつけでしかない。

文章は印象を修辞句をだらだら連続させるだけのもので、これは味でも何でもない。作者の渡米歴がヒントになっているのであろうシーンや叙述もまた薄っぺらい。

これで文庫本の紙を厚いものにして、段組の高さ(一行分の長さ)は薄く、文字の級数は大きくして無理やり一冊に仕立てているのだから、この水増しぶり・フェイクぶりたるやびっくりだ。本を買って久しぶりに金を無駄にした。(2016/5/6 記)