シャンパーニュレビュー Janisson-Baradon Vendeville Brut

ミュズレにはゴールドのハートマーク、留め金はピンク。
ミュズレにはゴールドのハートマーク、留め金はピンク。

ここ1、2ヶ月ほどはシャンパーニュについて冒険をする気になれず、自分の気に入りのいつもの銘柄だけ飲んでいたが、やはり他にも試してみなければと選んだのがこれ。

Janisson-Baradon Vendeville Brut
Janisson-Baradon Vendeville Brut

Janisson-Baradon Vendeville Brut(ジャニソン・バラドン ヴァンドヴィル・ブリュット)は、ペリエ・ジュエやポル・ロジェなど名門大手メゾンが本拠地を置くエペルネのシャンパーニュ。元はレコルタン・マニピュラン(自社畑のぶどうで醸造する造り手)だったのが、2010年からは業態変更されてネゴシアン・マニピュラン(ぶどうを買いつけて醸造する造り手)になったのだとか。

このシャンパーニュは見てのとおり、ハートのエチケットで有名で、そのエチケットを見ると、Champagne Vendevilleとされている。Janisson-Baradonの名前はごくごく小さく、「Janisson-Baradonによる醸造」とされているのみだ。それに、分類番号がRMとなっている。

醸造家を示す名前とRMの分類番号。
醸造家を示す名前とRMの分類番号。

どういうことなんだろうかと公式サイトを調べてみると、どうやらJanisson-BaradonはJanisson-Baradon名のブランドとして別に展開されているようだ。そして上記の公式サイトにはVendevilleは紹介されていない。つまり、NMになって大規模生産しているのはあくまでJanisson-Baradonブランドで、この従来からあるVendevilleはRMのブランドとして別なんですよ、ということらしい。なるほど、それでChampagne Vendevilleとあった訳だ。

シャンパーニュ本体の話に戻ると、そうした小規模生産で作られているVendevilleは、醸造家Janisson-Baradonのおばあさんの名前から取ったのだとか。家族愛を示すのがこのハート型の由来らしい。実は、このハート型が男にとってはちょっと気恥ずかしくて、レストランなどにあったとしても頼むのは気が引ける。しかし、人気は前々から聞いていて気になっていたので、うちで飲んでみようということになったのだ。

セパージュ(使用されるぶどう品種の割合)は、ピノ・ノワール5割、シャルドネ4割、ピノ・ムニエ1割。このロットは2011年のワインが9割、2010年のワインが1割。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は8g/lで、砂糖のリキュールでなく、ぶどう濃縮果汁によって施される。リュット・レゾネ(厳格な減農薬栽培)かと思ったら、リュット・アンテグレ(基本的に化学物質の利用を避けて、害虫駆除は天敵の虫によって行うなどの総合防除と呼ばれる農法)なんだとか。

さて、開栓。華やかな香りは花々やはちみつのよう。色は淡く、ゴールドに届かない。グラスに注ぐと泡は細かく控えめ。

控えめで上品な泡立ち。
控えめで上品な泡立ち。

口に含むと、ブランデーのような香りもする。造り手はブルゴーニュでワイン造りを学び、仕込みにブルゴーニュで使用された樽を使用しているのだそう。かわいらしいエチケットとは裏腹に、骨太なものを感じる。じょにおはこれを飲んでいて、「最後の方に尖って重たくならないか心配」と言っていたが、確かに最初にこの香りで来ると、ヴィルマールのようにどっしりした感じにも転化しかねないなと思った。

しかし後半はむしろ少し丸くなって、深みはあるがのしかかってくるような感じはしなかった。飲みくちは骨太なのだが、切れ味もあって、飲み疲れする感じはしない。それでもかなり本格的な味わいで、ピンクのエチケットからは予想のつかない味。こうした予想と違う感じは個人的には嬉しいが、あまりシャンパーニュを飲みつけない人に、ハートマークがかわいいからとそれだけで贈答用にすると、戸惑われるだろう。「かわいい」にはご用心である。

ミュズレにはゴールドのハートマーク、留め金はピンク。
ミュズレにはゴールドのハートマーク、留め金はピンク。
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