シャンパーニュレビュー Chapuy Carte Noire Brut Tradition


このところレコルタン・マニピュランで美味いのはないかとあれこれ試している。今回はこれ。

Chapuy Carte Noire Brut Tradition
Chapuy Carte Noire Brut Tradition

Chapuy(シャピュイ チャプイではない 笑)はコート・デ・ブランのオジェに位置する家族経営のメゾン。Chapuy Carte Noire Brut TraditionはChapuyのスタンダード・キュヴェ。コート・デ・ブランといえば言わずと知れた石灰岩質と、そこに育つシャルドネ。このスタンダード・キュヴェのセパージュ(使用されるぶどう品種の割合)もシャルドネが主で6割、そして残りがピノ・ノワール2割、ピノ・ムニエ2割。

シャンパーニュではスタンダードラインのものを「スタンダード・キュヴェ」というが、実のところ「キュヴェ」ではなかったりする場合もある。プルミエ・タイユが入っていたりするのだ。しかしChapuyでは本当にキュヴェしか使わないのだとか。

クラシカルなデザインのエチケット。
クラシカルなデザインのエチケット。

面白いのは、通常蔗糖で造られる門出のリキュール(澱抜き後に補糖のため添加されるリキュール)もシャルドネを素に造られていること。Carte Noire Brut Traditionにはピノ・ノワールとピノ・ムニエも入っているが、ミレジメ(ビンテージ)はブラン・ド・ブランなのだとか。それだけシャルドネにこだわりがあるということなのだろう。高貴な香りとミネラル感を期待して開栓。

さっと立ち上る香りにブリオッシュを感じるが、さほどくどくどしい発酵香ではない。それよりは爽やかな柑橘系の香りが基調になっている。色はシャルドネらしい、緑色のニュアンスをもった麦わら色。

淡い色。
淡い色。

酸はかっちりしていて、ミネラル感と共にこのシャンパーニュを特徴づける。やや温度を下げて飲んだ方がいいかもしれない。酸は特徴の一つではあるが、厳しさはない。細やかに配慮されて醸されたのだろうなと感じられる。

時間が経つと共に蜂蜜のような香りもする。品位は保ったままなのがさすが。

あまり知られていないシャンパーニュではあるが、値段以上の価値がある。シャンパーニュ好きなら一度試してみて損はない。