シャンパーニュレビュー Bollinger La Grande Année 2005


久しぶりのグランメゾンのプレステージシャンパーニュ。しばらくはスタンダードキュヴェを見直してみたり、冒険を恐れて今まで飲んで安心できるものを飲んでいたりしたが、やはりいいものはつい飲みたくなるもの。

Bollinger La Grande Année 2005
Bollinger La Grande Année 2005

Bollinger La Grande Année 2005(ボランジェ ラ・グランダネ2005)は現時点での最新キュヴェ。年の終わりにはこれで締めくくろうと、2015年の大晦日に開栓。La Grande Annéeは今まで2000、02、04と飲んできて、さすがBollingerというダイナミックで深い味わいが気に入りの1本。2005はどんなものかと期待を込めて。

大晦日には我が家では適当につまむものを買ってきて並べ、シャンパーニュと共にというのがここ数年の通例。La Grande Annéeなら少々の肉気やスパイスにも対抗できるだろうと、鴨肉のパテやら、プーパッポンカリーやら、点心やらと、気分に任せて並べる。

一番奥のはトリュフゴーダ。
一番奥のはトリュフゴーダ。

開栓一番の芳香は、トーストやブリオッシュ香と黄色い花の香りなど。グラスに注ぐと濃い黄金色。アイ村のピノ・ノワールだなあと思うが、ヴェルズネイのピノ・ノワールも入っているとか。因みにセパージュ(使用されるぶどう品種の割合)は、ピノ・ノワール7割、シャルドネ3割で、シャルドネはアヴィーズ、シュイイとル・メニルのものだとか。無論特級である。

ミュズレは英国王室御用達を意識したのか、濃いグリーンになった。
ミュズレは英国王室御用達を意識したのか、濃いグリーンになった。
濃い黄金色の液体。
濃い黄金色の液体。

一口目はシャープ。炭酸の力もあるだろうが、まだまだ熟成できるだろうなと思わせるシャープさで、クリスピーと言ってもいい程。今までのとろりとしつつどっしり味わわせるLa Grande Annéeのワイドさよりも、ドン・ペリニヨンのような輪郭のしっかりした味わいを感じた。新時代のBollingerはこういう味わいになっていくのだろうか。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)は6g/Lということで、少なめなドサージュの影響かもしれない。

香りは馥郁たるもので、オークの小樽発酵を感じさせる、マール様のブランデー香を漂わせつつも、極端に重くはなく、液体は極めてスムーズ。酒にそう強くなくてもするする飲めてしまって怖い。時間が経つとここに蜂蜜の香りがして、深みを感じさせる。

やはりさすがだなあ、の印象。Bollingerには更にVVFやR.D.といった高価でレアなキュヴェがあるが、メゾン的にはそれらは珍しいラインナップとしての好事家用で、あくまでLa Grande Annéeがトップなのだという。トップとしての矜持を感じた1本。