シャンパーニュレビュー Agrapart & Fils Terroirs Extra Brut


石灰岩質の土壌で良質なシャルドネを生み出すコート・デ・ブラン地区のアヴィズ村にメゾンを置き、グラン・クリュのぶどうとテロワール(土壌)を活かす上質なシャンパーニュ造りで高評価のAgrapart & Fils。複雑ではつらつとした味香が魅力のLes 7 Crusが有名だが、今回飲んだのはこれ。

Agrapart & Fils Terroirs Extra Brut
Agrapart & Fils Terroirs Extra Brut

Agrapart & Fils Terroirs Extra Brut(アグラパール・エ・フィス テロワール エスクトラ・ブリュット)は、その名の通りテロワールに重きを置いたキュヴェ。熟成期間はLes 7 Crusよりも長い4年、ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)はエクストラ・ブリュットだけに少なく、5g/l。

エチケットのデザインはシンプルで現代的。
エチケットのデザインはシンプルで現代的。

抜栓した途端にアカシアの花やレモンなどの香りが放たれ、これはいいぞと予感させる。しかしエクストラ・ブリュットは時々味わいの厳しいものがあるからどうかなとも不安もあった。が、不安は杞憂。実に味わい深いシャンパーニュだった。

蜂蜜のような香りや、香ばしい発酵香もあり、舌触りは滑らか。泡ははつらつとしていて、実はこれ、買ってから1年ほどセラーにほったらかしておいたのだが、グラスに注ぐと泡が層を作るほどだった。

力強く泡立つ。
力強く泡立つ。

ドサージュが少ないだけに、当たりが強いかと思いきや、酸は上品。ぶどうの上質さやミネラルを存分に楽しむためのドサージュの少なさなのだなと納得。これは「あまり辛口はちょっと」と二の足を踏む人にも楽しんでもらえる味だと思う。選ぶ価値のあるシャンパーニュ。