ブックレビュー 久生十蘭

十蘭レトリカ (★★★☆☆ 星3つ) 本作は短篇集。久生十蘭は鬼才であり、個性際立つ無二の存在であり、その作品が深く愛されることに異論はない。が、ただ単にこの本にはどうも入り込めなかった。まだ会社に通っていた頃、ブツ切り…

ブックレビュー 平山夢明

東京伝説ベストセレクション2 錯乱した街の怖い話 (★★★★☆ 星4つ) 短編集。本の触れ込みには「現実世界の恐怖事件簿、都市伝説系実話怪談の”ワースト”選集、第2弾。」となっている。とありながら…

ブックレビュー 東野圭吾

時生 (★★★★☆ 星4つ) タイムシフトによるreincarnationの物語。中盤を占めるVシネマまがいの大阪チンピラ物語は冗長で読み飛ばしてしまってかまわないような内容。父親のダメっぷりは、誰もが共感できないような…

ブックレビュー 福永武彦

草の花 (★★★★☆ 星4つ) 肺病病みで、憂鬱で悲恋で蒼くて純粋で、思想に燃えていてしかし実行力が伴わず……、と、時代の空気・小説の潮流のオンパレード。そこから志向脱却できないものか、と、詠んでいると少々じれったく思え…

ブックレビュー 円城 塔

屍者の帝国 伊藤計劃×円城 塔の本作については別ページ参照 Self-Reference ENGINE (★★★★☆ 星4つ) ヴィレッジバンガードで見つけ、背表紙に書かれた作品の要約を読んでこの本を書った。アナーキーな…