(☆☆☆★★ 星3つ) イギリスの低所得者向け団地で起こる騒乱を舞台にしたサスペンス小説。まず言っておくと、胸の悪くなるような叙述が延々と続くので、気分は憂鬱になる。そして読んでスカッとする結末は訪れない。その重苦しさを…
カテゴリー: 小説(海外)
外国人人作家の小説について印象を記しています。
ただし、海外ベースで執筆している日本人作家の作品は
こちらに入れています。
高い城の男 (★★★★☆ 星4つ) この『高い城の男』をフィリップ・K・ディックの代表作と推す人も多いようだ。俺としては『ブレードランナー』の原作たる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の方が代表作としてはふさわしいと思…
幸運の25セント硬貨 (★★★★☆ 星4つ) 短篇集。文学的作品と捉えて読もうとすると違和感があった。もちろん文学的体裁を保ってはいるのだが、修辞の先にある意味はなどと考えて味わおうとするよりも、やはりスティーヴン・キン…
火星の人 (★★★★★ 星5つ) 火星有人探査で起こった事故により1人残された主人公が生存のために知恵を絞るハードSF。既にリドリー・スコット監督、マット・デイモン主演による映画化が決定していて、トレイラーも公開されてい…
芝生の復讐 (★★☆☆☆ 星2つ) いきなり巻末の解説からの引用だが、そこには訳者藤本和子の労をねぎらったうえでこうある。 (訳者の翻訳とあとがき)がなければ、ブローティガンは日本でも真価を理解されないまま、単にちょっと…
サロメ・ウィンダミア卿婦人の扇 (★☆☆☆☆ 星1つ) 19世紀末文学の代表作と言われるが、冗長で詩情に流されすぎた展開がどうも好きになれなかった。当時、新奇なファッションや言動で社交界で注目されたというワイルドだが、フ…
アライバル (★★★★★ 星5つ) 大型本で、セリフや文字に依らず、イラストのみで物語を描き出してある。一応、表紙は日本語になっていて、日本語版ということになるのだろうが、本編には言葉が一切ない作りだから、日本語版を買っ…
夜間飛行 (★★★☆☆ 星3つ) さしたる感銘も受けずに何となく読み終えてしまった。最初、時代が違うからだろうかなどとも思ってみたが、自分の生きている時代とは時代が異なる作品を読むときには、当然その時代時代の事情を斟酌し…
ポー名作集 (★★★★☆ 星4つ) 推理小説というかミステリー小説というか、そういうものの魁たるポー。その時代は、今では古典といってもいい過去になり、より刺激的で残忍で血なまぐさい描写はその後いくつも出てきたから、今では…
アルケミスト – 夢を旅した少年 (★☆☆☆☆ 星1つ) 説教臭く、浅い。寓話的ストーリーなるものはえてしてそうだが、いかにも人に教え諭そうとする姿勢が鼻につく。しかも少年の夢がつまるところ金と女というのが、…