Beaumont des Crayéres Grande Reserve Brut 普段使いを探して


我が家の普段使いのシャンパーニュはPiper-Heidsieck Brutが不動の地位を占めているのだが、ちょっとバリエーションが欲しいと思っていて、他に比較的手軽な価格帯で気兼ねなく開けられる物を探している。この前のAgrapart & Fils 7 Crusもそのうちの1つなのだが、これも気になったので試しに買ってみた。

Beaumont des Crayéres Grande Reserve Brut
Beaumont des Crayéres Grande Reserve Brut

このBeaumont des Crayéres Grande Reserve Brut(ボーモン・デ・クレイエール グランデ・レゼルヴ・ブリュット)はBeaumont des Crayéresのスタンダード。シャンパーニュの中では値段が手頃。ネットショップでは3000円前後で手に入る。Beaumont des Crayéresは札幌のミクニでミレジメ(ビンテージ)のロゼを飲んでいて、まずまず良かったので、いいのではと予測。

Beaumont des Crayéresはクール・ド・キュヴェ(ぶどうの搾汁の最初と最後は捨ててしまい、中の純粋な部分だけを選んだ一番搾り)を使っているのが特徴だとか。スタンダードのこれには一部使用らしいが。メゾン設立は1955年と、若い。そして経営形態が珍しい。コーペラティブ・マニピュラン(Cooperative Manipulant 生産者協同組合で構成される醸造・販売グループ)なのだそうだ。大手でよく見るぶどうを買い付けてシャンパーニュを製造するネゴシアン・マニピュランではぶどう農家とシャンパーニュ製造者が分離しているが、CMはぶどうの生産者がシャンパーニュの生産(と経営)にも関与している形態。比較的小規模だからなせるのだろうか。

セパージュは珍しくピノ・ムニエが一番多く60%、次いでシャルドネ25%、ピノ・ノワール15%とか。ドサージュ(澱抜き後のリキュールによる補糖)の量は分からなかったが、デゴルジュマン(澱抜き)は日付まで裏面に書かれてあった。これは2012/7/5。

グラスに注ぐと泡が勢い良く立ったが、やがて落ち着くと控えめな細い泡に。香りはブリオッシュやトーストのような発酵香は控えめ、しかし深くフルーティーな香りで心地良い。含むと香りそのままの素直な味がするが、薄っぺらくはない。この日の夕食は常夜鍋。シャンパーニュが立ちすぎず、しかし弱くもなく、ちょうどいいバランスの味わい。

色味は、ほんのりオレンジがかった麦わら色。ピノ・ムニエが主体のものらしい色合いだ。

これだと少し色が分かりにくいか。
これだと少し色が分かりにくいか。

食事を終えて、チーズや枝付き干しぶどうと共に飲んでも、品の良い味わいが、やすらぎと華やぎを同時に与えてくれる。雑味の無さは、さすがクール・ド・キュヴェ使用の面目躍如か。飲み始めのいわゆるアタックも控えめだったので、人によっては優しすぎて「パンチが足りない」と感じられるかもしれないが、これはこれでありだと思う。

チーズ、枝付き干しぶどうとともに。
チーズ、枝付き干しぶどうとともに。

ということで、これも3000円前後という値段であれば、十分に満足が行く。我が家の普段使い選択肢の一つになりそうだ。

さて、年末年始、お客さんも若干我が家に来る予定で、我が家はこれからシャンパーニュラッシュ! とりあえず普段使いのも含めて買い揃えたら、8種類ほどになった。

スタンダードからトップキュヴェまで。
スタンダードからトップキュヴェまで。

一部は複数本セラーにストックしてある。ああ、こんなことを書いているんじゃ、まるで飲んべえだ…。