Peabo Bryson feat. Deborah Coxライブ


昨夜、ブルーノート東京であったPeabo Bryson feat. Deborah Coxライブに行ってきた。仕事が終わってからまず外苑前でじょにおと待ち合わせて、モロッコ料理を食べに行き、お腹いっぱいになった後、南青山へ移動。

会場前のボードに入った写真は2人のサイン入り。
会場前のボードに入った写真は2人のサイン入り。

1日のうち2回公演があって、遅い方に行ったのだが、会場に入ると、前の回の人が出てくるところに出くわした。曰く、「いやー、感動的だった」とすれ違う時に感想を話し合う声が聞こえたので、期待。今回のソファー席は、予約が遅くてかろうじて取れた席だったので(後方席はまだあったようだが)、ステージの上手すぐ傍の端。それでも、近いので当たり前だが、よく見えるし、音響は比較的問題なかった。

着席してシャンパーニュを頼んだのだが、前回Dianne Reevesを聴きに行った時には最初ハーフを注文して、結局追加でもう1本飲んでフルボトルと同量だったので、今回は最初からフルボトルのつもり。通常のドリンクメニューにはテタンジェのみがラインナップされていたので、通常のドリンクメニューとは別に用意されているワインリストを持ってきてもらってオーダー。ワインリストが改訂されていて前回とは内容が異なっていた。頼んだのは、Henri Giraud Esprit Rosé(アンリ・ジロー エスプリ・ロゼ)

ステージをバックに。
ステージをバックに。

大晦日に飲んだCode Noirを作っているメゾンのスタンダード(といっても売価はそう安くないのがアンリ・ジロー)。アンリ・ジローらしいふくよかで芯の強いロゼで、つぶしたいちごのような香りがする。酸は適度、泡もCode Noirほどではないがやはり勢い良くあがったあとに、長く続く。終わりの方にはセクシーな奥深い香りと余韻があって、いいシャンパーニュだった。

さて、肝心のPeabo Brysonは、最初会場に現れると、各テーブルを回って一人ひとりに挨拶するというサービスぶり。俺も、「あなたの音楽を聴くことをずっと楽しみにしていました」と声掛けして、ハグを交わさせてもらった。パフォーマンスは、最初はマイクの調子を見るような感じだったが、すぐに乗ってきて朗々と、そして堂々とした歌いぶりで、素晴らしかった。本来の声が良いうえに、マイクに乗りやすい声質で、ステージ映えする。ジャケット写真で想像していたよりも小柄だったが、声は会場を支配するボリューム感。

歌は、本人のオリジナル曲だけでなく、豊富なカバーが興味深かった。スティング、シャーデー、スティービー・ワンダー、果てはチャカ・カーンまで。そしてどれもを自分のものにしていて、ボーカリストとしての懐の深さを感じた。
曲の合間に「暑い」と日本語で連発しつつ、できるだけ日本語で伝えようとするステージ・ホスピタリティも、声と同じ温かいキャラクターで、聴衆を魅了していた。

そして後半にDeborah Coxが登場。Peabo Brysonが聴衆とできるだけコミュニケートしようとするのに対し、比較的普通のコミュニケート具合ではあったが、歌に手抜きはなし。Peabo Brysonとは違って、比較的マイクには乗りにくい声質なのかと思わせたが、声量は文句なく、スタジオバージョンの曲を聴いて期待されるような力強い歌はそのまま再現されていた。

二人のデュエットは期待どおりの”A Whole New World”を披露。”Beauty And The Beast”は演らず、名曲”Tonight I Celebrate My Love”はバックコーラスの1人とのデュエットで多少残念だったが、それでも2時間弱のステージは、人々を幸福にさせるものだった。あらためて2人とも素晴らしいアーティストであることを認識し、これを見れてラッキーだったと思う。