優雅で豪勢な味 ゴッセ


今月は堂々とした華やかな1本を選んだ。Gosset Grandé Reserve Brut(ゴッセ グラン・レゼルブ ブリュット)。

今月の1本、Gosset Grandé Reserve Brut
今月の1本、Gosset Grandé Reserve Brut

今月の1本と言っても、実は一人家でハーフを1本空け出張帰りにも別のを空けていて、まだ書いていないが札幌のフレンチレストランでも1本空けたから、実は4本目なのだが…

あ、いや、もとい、ゴッセは高名なシャンパーニュメゾンの例に洩れず数々の蘊蓄がある。そして中でも注目されるのは歴史。最古のシャンパーニュメゾンというから麗々しい。現代のシャンパーニュの製法を確立したのはドン・ペリニョンと言われているが、ルイ14世がこれを商業として認めたのが1691年。対して、ゴッセの設立は1584年。だから設立当初はワインの醸造家ということになろうが、シャンパーニュを一番最初に作ったのではないにしろ(ひょっとしたら製法は確立されていないが発泡性ワインは作っていたかもしれないが)、シャンパーニュメゾンとして最古ではあるのだ。そしてゴッセは高品質にこだわり、ほとんどの作業を手で行っているのだそうだ。

さて、このGosset Grandé Reserve Brutは、グランクリュとプルミエクリュのリザーブドワインから作られており、ゴッセのスタイルに最も忠実なんだそう。ゴッセのスタンダードキュベにはBrut Excelenceというのがあるが、これはそれより上に位置付けられている。

クラシックな瓶は首が細く、勲章のようにかけられた手張りのラベルが印象的。外見から連想するに、これはBrutとは表記しているが、優雅で豪勢な味がするに違いないと踏んだが、果たして正解!

色は予想に反して明るい。黄金色というよりは、小麦の穂のような色。そして最初に立ち上る香りも、可憐な花束のように軽やかですがすがしい。しかし、一口含むと芯にある豊かな味わいがあり、色や香りとは異なって、壮麗な印象で、ああ、これがゴッセ! という予想通りの豊さを感じさせてくれる。

明るい色をしている。
明るい色をしている。

泡は注ぐ時にはさっと現れて、その後は品よく細やかに長く続く感じ。飲み進めると華やかな最初の印象に包まれていた芯の芳醇さがより前に出てきて、ほんの少しの苦味も出てくる。酸味はほどよい感じで、やはり予想通りBrutとはいいつつも極端に辛口ではない。後半には深いシャンパーニュ特有の、木やシダを思わせる森の香とナッツが顔を出す。今回は最初の注いだ香りから最後の一滴まで、喜びのある味わいで、これは俺もじょにおも好みのシャンパーニュだった。

ところで、今回認識したことに、グラスによる味わいの違いがある。そんなほんのちょっとしたことで?と思うかもしれないが、本当に違う。

違ったシャンパーニュグラスで。
違ったシャンパーニュグラスで。

写真右の細いのはリーデルのフルートグラス、左にある背の低い少し幅のあるのはティファニーのグラスなのだが、リーデルの方が酸味に勝り、ティファニーの方が後半のナッツ香が早く現れて、ぶどう本来の味も見える。

敢えて白ワイン用のグラスでも飲んでみた。グラスのメーカー名はあんまり言うとイヤラシイので言わない。(笑)
敢えて白ワイン用のグラスでも飲んでみた。グラスのメーカー名はあんまり言うとイヤラシイので言わない。(笑)

これはまた違うのを買ってきて、グラスの違いで飲み比べないと!(じょにお冷や汗)